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滋賀県東近江市 神郷亀塚古墳

Higashiomi Jingo Kamezuka kofun


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June 2010 撮影: 中山辰夫

東近江市長勝寺町小字八ノ坪310 滋賀県指定史跡

形状:前方後方墳

規模:全長36.5m、高さ3.8m(推定高:約5.3m)、溝跡、土坑、竪穴住居

年代:3世紀前半乎加神社の境内から約200mの距離にある。田と畑のあぜ道に沿って歩く。乎加神社の裏側に当たる。

こんもりとした丘らしいものが見えてくる。雑草が生い茂っているだけで何も見えない。

大きな力を持った首長が存在していたことが、その後この地域が大きく発展するベースにもなったのであろう。

 

神郷亀塚古墳は、3世紀前半に築造された国内最古級の前方後方墳で、抱く律丘陵である和田山の北西部の平地にある。

全長36.5mで、周濠を含めると48mである。南面に面する前方部は長さが14,5m、後方部が22mで前方部がやや短い。

周濠は、後方部で幅12.5mであるが、前方部は3mと狭くなっている。地表から3.8mの高さまで墳丘が残り、後方部からは並列する2基の木槨墓が検出された。古墳の外側では、墳丘から50m程西側で、墳丘に並行する幅1.2mの溝が発見された。溝からは弥生時代終末期の完形の土器が10個体以上埋納されていたこと、溝の東側で同じ時期の竪穴住居3棟が検出されていることなどから、この溝は、神郷亀塚古墳の墓域を画し、古墳築造に際して何らかの祭祀が執り行われていたことを示す遺構と考える。なお、これらの他に、周濠西側の肩部に柱穴列と6世紀前半の土師器の高杯を納めた古墳と並行する長方形の土坑、古墳から20m西側では、土師器の高杯が多数出土した5世紀後半の竪穴住居1棟なども合わせ検出されている。当古墳は、平地に立地するものでは墳丘を良好に残し、主体部の様子が明らかになった唯一のもので、近江・北陸・東海関東などの平地に周濠だけが見つかっている前方後方墳の実像を明確にした功績は大きい。

また、その西側には、弥生時代後期から古墳時代を通して営まれた、湖東地方の拠点的集落である斗西遺跡・中沢遺跡があり、神郷亀塚古墳はこの集落の首長の墳墓と考えられる。

さらに、湖東地方には、八日市市雪野山古墳、安土町瓢箪山古墳、彦根市荒神山古墳と4世紀代に順次前方後円墳が築造されており、神郷亀塚古墳は、これらに先駆けて築造された前方後方墳で、古墳時代成立期の解明に大きく寄与するものである。重複しますが、滋賀県教育委員会文化財課の発行資料を添付します。

 

 《淡海の文化財:文化財選集より引用》

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