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滋賀県彦根市 彦根城

Hikone castle,Hikone,Shiga


Feb.2012 中山辰夫

1月末から2月の初めは寒波の襲来で、全国に大雪を降らせた。彦根地方も、2月2日から3日に

かけて積雪量47cmとなり、12年ぶりの大雪となった。

   彦根城は、明治初年、取り壊される寸前、明治天皇の北陸行幸に際して地元の訴えが取り入れられ

勅命で破壊が免れた。戦後、船橋聖一の「花の生涯」で関心が高まり、今も見学者が絶えない。雪の城内

                内堀にかかる表門橋を渡り、彦根城博物館として復元された表御殿前から坂道を上る。

      ☆ 廊下橋

鐘の丸と天秤櫓を結ぶ重要な門。巨大な堀切が設けられている。

もとは屋根があって廊下のようでこの名がついた。非常時には落とし橋となる。幅二間、長さ八間

     

右手の松の根元に、「鮒(ふな)ずしや 彦根の 城に 雲かかる 」と蕪村の句碑がある。 ☆ 天秤櫓

国重要文化財

    天秤のように左右対称になっている。秀吉の長浜城から移築したもの。彦根城だけの形式である。

樟材を使い、左右に二重の隅櫓をおき、三間と六間の多聞櫓があって、天秤のような形をしている。

    

石垣の高さは下から約12mである。左右の石垣は工人も、素材も別のようである。

二重櫓の屋根は、右側が棟入り、左側は妻入りと異なっている。入口門

    天秤櫓周辺のあちこち

    

橋の西側の石垣は江戸後期の改修による落し積み、東側の石垣は築城当時の牛蒡積み。

        天秤櫓内部公開中

  天秤櫓内部

        

窓格子は、弓や鉄砲で敵陣を広く狙えるように菱形板を使用している。 ☆ 時報堂

城全体に響くようにと鐘の丸から移された。今も定時に鐘が撞かれ「日本の音風百景」に選ばれている。

幕末期に美しい音色にすべく大量の小判が投入された。左手は聴鐘庵という茶屋で薄茶が楽しめる。

     ☆ 太鼓門櫓および続櫓

国重要文化財

太鼓門は櫓門とそれに附属する多聞櫓から構成されている。本丸への最終関門にあたる重要な櫓門。

旧藩時代にこの楼上に太鼓を置いて、城内の合図に用いたのでこの名がある。

     城門は両脇の石垣に渡された冠木(かぶき)

   中央に両開きの大扉があって、北側の脇間には片開きの潜戸(くぐりど)が設けてある。

    太鼓門の垂木が白漆喰塗の角形に対し、続櫓では波形に塗りこまれている。

   彦根山自体の岩体で、自然の岩壁を利用している。

  建物の背面が開放され、高欄付きの廊下となっており、櫓には大変稀な構造である。

         ☆天守

国宝

いくつもの破風を巧みに組合せ、美しい曲線の調和を見せる天守。

どっしりとした牛蒡積と呼ばれる石垣の上に三重の天守がそびえている。

京極高次が築いた大津城から移築されたとされ、慶長2年(1607)頃完成した。

      ☆天守を飾る工法・手法

千鳥破風と天守鬼瓦 

一重目の屋根は大入母屋で、千鳥破風と鬼瓦が飾る。千鳥破風は屋根の流れの上面に取り付けられた

切妻の破風。鬼瓦は、井伊家の家紋である橘をあしらったもの。

  切妻破風 

一重目の屋根は大入母屋となり、その両袖部使われている。天守建物で切妻破風を用いる

ことは殆どなく、彦根城と讃岐高松城ぐらいとされる。

 軒唐破風

唐破風は「唐」の字を冠しているが、わが国で創始された。左右両端が照り、中央部が起こっている。

これが軒先の一部に付けられると軒唐破風となる。

 

花頭窓

禅宗寺院の建築に用いられる独特の窓で、城郭では古代の天守に使われている。彦根城では

2階と3階に用いられている。曲線が美しい窓である。

  牛蒡積

一見粗雑に見えるが実は堅固な石垣。天守閣のほか、天秤櫓の石垣も東半分がこの積み方である。

    ☆全方位の天守(大雑把な区分である)

東面

     西面

        南面

      北面

     ☆鯱(しゃちほこ)

          

平成に入って取り替えられた鯱「二の丸佐和口多聞櫓に展示してある」

  ☆ 天守閣入口付近からの遠景玄宮園付近

   

大洞弁財天付近

 

長浜港付近

  ☆天守の内部へ

      天守一階内部

      天守2階内部

        天守3階内部

          3階からの遠望

    天守閣を出て西へ廻ると広場。西の丸跡である。イロハモミジや桜の木々が林立する。夏は涼が、秋には

紅葉が素晴しいところである。

     ☆ 西の丸三重櫓

国重要文化財

西の丸の南西隅の石垣上に建つ三重櫓

     外観全景

     

10m以上にも及ぶ高い石垣の上に築かれている。建物子構成は桁裄6間、梁行6間の三重櫓を中心に、北と

東側に石垣に沿ってそれぞれ梁間4間の多聞櫓が接続している。  

建物壁は白漆喰の大壁で、軒も白漆喰波形仕上げである。

窓は天秤櫓や太鼓門と違い、すべて枠や格子の木地を見せずに塗込縦格子の土戸。櫓内部公開中

   櫓各階の内部

            

☆二の丸佐和口多聞櫓入口付近からの遠望

(表御殿「彦根城博物館」の後方は天秤櫓と天守)

  ☆二の丸佐和口多聞櫓

国重要文化財

    

「いろは松」に沿った登城口の正面に佐和口がある。多聞櫓は長屋のような形が特徴。

佐和口の枡形を囲むように2回曲折する長屋となっている。全景

       

内側は、扉以外には窓もなく、漆喰で塗り込められている。城外側は窓や狭間を多く設けた攻撃的な

壁面となっている。多聞櫓内部

             ☆馬屋

国重要文化財

近世城郭内に残る大規模な馬屋として例がない。元禄時代に建てられ、常に十数頭の藩主用の馬が繋がれていた。

こけら葺の屋根が美しい。壁は上を大壁とし、下方を簓子下見板張(ささらこしたみいたばり)としている。

        ☆旧西郷屋敷長屋門

彦根市指定文化財

京橋口から入って左手の角地に建つ。旧西郷家の屋敷跡である。明治以降裁判所として使われている。

    桁裄43.9m、梁間5mの入母屋造で、市内に現存する長屋門中最大のもの。正面の外観は旧形を保つ。

     ☆ 玄宮園

国名勝

城の北東にある大名庭園。中国の瀟湘(しょうしょう)八景にちなんで選ばれた近江八景を模して

つくられた縮景園。延宝5年(1677)に造営された。年間を通じて種々の催しが開催される。

    全景

第一景

          第二景

    第三景

    第四景

          第五景

       第六景

      楽々園建造物

   楽々園建造物保存工事中

期間:平成24年3月19日まで

   玄関口

    

Jan.2011 中山辰夫

滋賀県教育委員会資料 

    

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