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滋賀県甲賀市 信楽高原鉄道

Shigaraki Railway, Koka city,Shiga

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May 2021 酒井英樹

第一大戸川橋梁
Daiichi Daidogawa Bridge

 大戸川橋梁は、一級水系淀川水系大戸川に架かる鉄道橋。
 昭和8年(1933)の国鉄信楽線開業以降供用されていた鋼製三連桁橋が昭和28年(1953)に豪雨で流失したのを受け、翌年の昭和29年(1954)に竣工した。
 フランス人のセルジュ・コバニコの基本設計に基づき国鉄大阪工事事務所次長の仁杉巌(にすぎいわお)によって工事が進められた。
 計画段階で3案による公費比較検討の結果、プレストレストコンクリート桁が採用された。

 橋長31.0m(支間30.0m)の単線仕様のプレストレストコンクリート造単桁橋
 
  プレストレストコンクリート(PC):あらかじめ(pre)緊張材によって圧力をあたえられた(stressed)コンクリート(concrete)
鉄筋コンクリート(RC)に比べ、部材断面を小さくしたり、より大きな荷重に耐えられる構造とすることが可能

                    
 
 


May 23,2021 大野木康夫  source movie

第一大戸川橋梁
The First Daido River Railroad Bridge, Koka city, Shiga


所在地 滋賀県甲賀市信楽町勅旨

【文化審議会答申から引用】
第一大戸川橋梁は貴生川と信楽を結ぶ旧国鉄信楽線に架かる、橋長31m、単線仕様の単桁橋である。
国鉄が戦前の鉄道省時代から蓄積したコンクリート技術の粋を集め、昭和29年に建設した、わが国初の本格的なポストテンション式プレストレスト・コンクリート橋である。
今なお高い品質を保つ優れたコンクリート構造物として価値が高い。
工事の克明な記録を残すなど、戦後のコンクリート研究の発展にも寄与している。

第一大戸川橋梁は信楽高原鐵道の勅使~玉桂寺前間(玉桂寺前駅のすぐ貴生川寄り)の大戸川にかかっています。
旧国鉄信楽線の開通当初は三連の上路鈑桁鉄道橋でしたが、昭和28(1953)年の豪雨により流出し、中間橋脚がないプレストレスト・コンクリート橋として昭和29(1954)年に建造されました。
基本設計はフランスのフレシネー・インターナショナル社から日本に派遣されていたセルジュ・コバニコが行い、実施設計と施工管理は国鉄大阪工事事務所の仁杉巌次長(後の第9代国鉄総裁)が行いました。
平成19(2007)年に土木学会コンクリート委員会内の「構造物表面のコンクリート品質と耐久性性能検証システム研究小委員会」が行った調査の結果、コンクリートが高品質で中性化が全く進んでおらず、表面透気試験でも透気係数が極めて低かったため、同小委員会により、高品質なコンクリートのフラッグシップとして選定されました。
それにより、平成20(2008)年に登録有形文化財となり、令和3(2021)年5月21日に開催された文化審議会文化財分科会の審議、議決を経て、重要文化財に指定するよう答申されました。
【参考文献】上田洋:第一大戸川橋梁 コンクリート工学Vol.46,No.9,2008.9

玉桂寺前駅手前の田園風景

  

第一大戸川橋梁(重文答申対象)

左岸側から撮影

                                      

玉桂寺参道を迂回して右岸側へ

 

後年の検査のため設置された試供体

  

昭和28(1953)年に流失した旧橋梁の橋脚など

  

右岸側から撮影

                            

信楽高原鐡道一番列車

        

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