滋賀県甲賀市 信楽 八坂神社
Yasakajinja, Koka city,Shiga
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Dec.2010 中山辰夫
甲賀市信楽町柞原321(さくはら)
祭神:素戔鳴命(すさのおのみこと)
祭礼:4月16日
朝宮から続く旧街道を走る。
八坂神社は二童子神社の東方にあって柞原集落の南西方向、旧街道北側の山裾に鎮座する。
神社はもと杉山・中野・柞原・畑・および田代の産土神(うぶすな)として畑の宮原に鎮座していた。
正応年間(1288〜93)に現在地に移され、天文元年(1532)に新たに社殿が造営され、現在に至ると伝える。
社頭の石鳥居から一直線に伸びる並木の参道を進むと、正面に拝殿がある。その左側に手水舎がる。
本殿は奥の一段高く石段を積んだ上に建ち、覆屋内にある。
本殿は国登録有形文化財、祭礼時に行われる「祇園祭」は県無形民俗文化財に指定されている。
元は牛頭天王社と称した。神額は大正年間に「牛頭天王」から「八坂神社」に取替えられた。
寛保3年(1743)京都檜皮葺屋吉兵衛により檜皮屋根に葺き替えられた記録がある。
八坂神社は三郷(柞原・中野・杉山)の本社である。
拝殿・本殿以外に神輿庫・手水舎・社務所が建つ。
石造明神鳥居
市指定文化財
参道に建つ鳥居は、島木(しまき)の両端部の両下面に「享保17歳(1732)左」、「丑子霜月吉日 右」と刻銘されており、建立年代を知ることが出来る。
鳥居は、笠木と島木を一石から造りだし、二部材を額束上で継いでいる。
木口面は鎬(しのぎ)の頂部が誇張され、この時代以降に見られる細部様式を特徴づけている。
島木は笠木の下端部に平行する形で、両端で反りあがり、端部で僅かに低く細くなっている。
また島木と笠木の長さの差が大きいこと。貫と柱の接合部には、通常楔(くさび)をはめ込むが、本鳥居には見られないことなどが特徴とされる。
拝殿
桁行三間、梁間三間、入母屋造、銅版葺、妻入り
本殿
一間社流造、桧皮葺
本殿は間口2.3m(7・5尺)余りの小規模な一間社流造で、現在は覆屋内にある。覆屋は19世紀初めの頃のものである。
建立年代は寛永13年(1636)と貞享5年(1688)の棟札があるが様式から見て貞享5年と考えられている。
身舎はほぼ正方形で、幣軸付の板扉によって内・外陣に区別されている。
身舎正面は他の本殿と同様、格子戸四枚引戸違とし、背・背面は横板壁である。
身舎頭貫の妻側の木鼻は獏鼻である。彩色されている。外部から見えないのが残念である。
大工は甲賀郡牛飼村坂之上某等である。
ケヤキ
樹高:25m、幹囲:5.3m、樹齢:200〜299年
神社に向かう100mほどの参道の途中、右側に立っている。この側は本来スギ並木であったと思われる。根張りが素晴らしい。
極彩色された本殿
彩色された神社本殿は滋賀県内でも珍しいが、信楽町には本社と高宮神社・杉尾神社・二童子神社の4棟、隣接する日野町では大窪の日枝(ひえ)神社、熊野の熊野神社の2棟がある。
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