滋賀県甲良町 八幡神社
Hachimanjinja,Kora town,Shiga
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Nov.2010 撮影/文:中山辰夫
犬上郡甲良町在土523 戦国時代の武将で、城づくりの名人として名を馳せた藤堂高虎ゆかりの神社である。
ここ大字在土は藤堂氏の本拠地であったことから、もと藤堂八幡神社と称されてきたと伝える。
境内に入ると右側に町の天然記念物紫藤樹の大棚があり、本殿はその奥、拝殿後方の一段高い所、幣殿と共に建っている。
本殿は現在大分色が薄くなっているが、建てられたときはカラーの美しい建物だった。
本殿は県有形文化財で、流造(ながれずくり)の檜皮葺の社で、かなり薄くなったが、彩色の施された建築物である。
町指定の天然記念物である紫藤樹の開花時は見事である。
藤堂家からは藤の手入れにと毎年送金があり、八幡社の氏子は御礼にと、5月2日の「藤切祭」に藤の花を桐の箱に詰め届けている。
当神社の創建は明らかでないが、藤堂高虎の八代前の先祖、藤原三河守影盛が、応永3年(1394〜1412)に京都石清水八幡宮からご神体を迎えたのが始まりとされる。
高虎が伊勢・伊賀国などで32万石余の大名となっても氏神として敬い、子孫の藤堂藩主も年々米50石(7500kg)奉納すると共に度々大修理を施したことが棟札で判る。
境内には藤棚や藤堂支藩奉納のいわれの書かれた手洗石が残っている。
拝殿
中門・幣殿
本殿
町指定文化財
一間社流造、檜皮葺
本殿は、比較的小型の一間社流造で、全体に彩色が施されている。背側面の三方には霜除けの板囲いがあり、正面は幣殿が接するため本殿のごく一部しか見る事が出来ない。
資料によると、内部は2室に分け、正面の柱間装置は何れも板戸外開きである。身舎(もや)組物は平三斗(ひらみつと)、庇(向拝)は連三斗(つれみつど)で、中備(なかぞなえ)は両者とも蟇股とする。
妻飾りは、紅梁大瓶束(こうりょうたいへいつか)の上に大斗絵様肘木(だいとえようひじき)で棟木を受けている。
この本殿は棟札などで寛永再建となっているが、近くの甲良神社本殿(江戸時代初期)よりは下がると考えられる。
藤棚
町指定天然記念物
石清水八幡宮に参詣した折、社前の藤の株を持ち帰り、移植すると見事に繁茂開花した。やがて、この地が井伊氏の封ずる所となった時、二代目井伊直孝は「藤堂村と呼び捨てるのは恐縮也」とろして、在土村と改名させた。
藤堂村(在土村)が藤堂氏の発祥の地であり、ここに在度土八幡宮および藤の木の由来が知れる。
藤堂家が武士の神として信仰心が厚い石清水八幡宮を奉り建てられた。子孫繁栄を祈念して境内に植えられた柴藤樹は今も健在で毎年5月に藤切祭りが行なわれ、藤房を藤堂家に贈るのが慣わしとなっている。
藤堂高虎
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