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滋賀県米原市 奥伊吹
Okuibuki,Maibara city,Shiga
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Oct.10.2015 中山辰夫


米原市甲津原(こうづはら)

ブンゲン( 射能山 しゃのうやま)に登る目的で奥伊吹に行く。周辺の情報を合わせ載せる。
 
赤線部が関係するスポットである

米原より伊吹山を右手に見て県道40号線を姉川に沿って北上し、登山口である奥伊吹スキー場を目指す。その途中の東草野集落の情報を先行する。
 

重要文化的景観「東草野の山村景観」
スキー場への途中にある、奧伊吹の吉槻・甲賀・曲谷・甲津原の4集落の山村地帯の景観をいい、伊吹山の西麓に位置する。
  
姉川の上流付近の山々に囲まれた山村集落で、峠を介した地域交流により育まれた独特の住まい・生業・水利用が作り出した景観であることが選定理由で、農業が中心であるが、甲津原の麻織、曲谷の石臼、甲賀の竹刀など冬季を中心とした農家の副業が集落ごとに発達し、峠を介して美濃、北陸との流通往来が盛んであった。また、豪雪地帯ゆえの暮らしの智恵があり、長いひさしのカイダや流水を貯めるイケ等の独自の家の構造になっている。
      

伊吹山系は伊吹山を中心とした石灰岩帯と国見峠以北の花崗岩帯に大きく分かれ、吉槻付近より北側が花崗岩地で、この花崗岩を利用した石仏、石塔や石臼づくりが盛んであった。

これら集落の若干の情報である。

吉槻(よしつき)集落

吉槻は東草野の南端に位置し、東西の峠道および南北の姉川沿いの往来が交差する交通の要衝であった。
なかでも峠道4q・7つのカーブをもつ七曲峠は最も重要な道で物流の中継点として、東草野における行政・商業の中心地を担ってきた集落である。
峠道は、例えば美濃の繭を吉槻で中継し長浜へ運び、姉川沿いで収穫されたコウゾを美濃で和紙にし、再び鳥居本へ納めた紙の道であった
    
吉槻の集落内には、石仏や五輪塔といった石造物が数多く残されている。そのほとんどが墓標として作られたものとされ、かつては集落端の墓地にあったものが時代の流れと共に移動・集約され、集落内で祀られるようになったといわれる。墓標の多さは人の多さの指標でもあり、これら吉槻の石造物は、中世末から近世にかけて数多くの人で賑わっていたことを物語る。また峠道には地蔵尊が祀られ、往来の安全を祈願した人々の思いがわかる。ただこれら石仏は摩耗がはげしく、読み取れないものが多い。
    

曲谷(まがたに)集落
山東本巣線の県道が、大きく左右に曲がるS字状の渓谷部に位置するのが曲谷。曲がっている谷という自然条件から曲谷の名が起こったとされる。
集落の入口にある石臼のモニュメント
    

伊吹山系は伊吹山を中心とした石灰岩帯と国見峠以北の花崗岩帯に大きく分かれ、吉槻付近より北側が花崗岩地で、この花崗岩を利用した石仏、石塔や石臼づくりが盛んであった。
曲谷石は高度が低く風化しやすい花崗岩のため、加工には適していた。鎌倉時代末期には花崗岩を刻んだ板碑が、室町時代には組み合せ式の一石五輪塔が見られる。そして戦国時代には「竹たが締め式」石臼が作られ、湖北地方や西美濃地方に出荷されていた。石臼は江戸時代に全国的に普及した。
 
直径約36cm、上臼の窪みが浅く、穀類を入れる口が長方形であることが特徴。江戸時代中期に最も盛んだった生産は、昭和初期まで続いた。

曲谷に石臼の技術を導入したのは西仏坊なる人物とされている。
圓楽寺
    
西仏坊の石像が、曲谷にある圓楽寺に祀られている。真宗大谷派の寺で1494(明応3)年に宗海が開基した。

    
曲谷では、明治の終りごろまでは集落の住民ほぼ全員が石工だった。現在、石工は一人もいない。現在も家廻りのあちこちに使われている。
石臼は特に穴をあける工程が難しく、7つに1つしか完成しなかったとされる。失敗作が今も家廻りでリサイクルされて使われている。
     
近隣県の社寺に建つ鳥居や石塔に携わった石工の名が多く残っている。

白山神社
村の鎮守。731(天平3)年行基の勧請と伝え,1346(貞和2)年足利尊氏の祈祷状がある。小谷城城主・浅井氏の祈願所でもあった。
    
境内には石仏が多量に安置されている。1310年頃(鎌倉時代)の作とされる板碑、仏さんの姿が彫り出されている。

乳イチョウの大木→安産の神様
   
幹の太さとは不釣り合いなほどの気根。横へ長く伸びた枝から、太い気根が垂れ下がっている。気根はいわゆる大イチョウクラスの老木だけのものと思っていたのでビックリでした。

起又谷の五色の滝
集落の北、起又川上流にある5段に分かれて流れ落ちる滝。その途中の山中に石切り場の跡が残っている。ここでおおまかな形に裁断された石を持ち帰り、細工の作業は冬場の家での仕事であった。滝は花崗岩の上を流れ落ちる。
       

甲津原集落
集落のはじまりとして、平家や南朝の落人伝説が語られる。その根拠のひとつに甲津原には墓がないことがあげられる。
源氏に敗れてこの地に逃れた平氏が、自らの存在を石に刻むのを拒否したからだといわれる。しかし、三本もの峠道が交差し、活発な交流があった甲津原では、落人も隠れ住みにくかったのではないか。
江戸後期の竹中家住宅 現在は奥伊吹伝承館として利用されている。
 

これらの地域はご多聞に漏れず、高齢化と人口減で昔日の歴史が日々消滅してゆく運命にある。
今回の報告は薄っぺらい内容となったが、再訪して精度をあげる必要がある。

奥伊吹スキー場に近づくと、車の異常な騒音が聞こえてきた。

奥伊吹モーターパーク
スキー場に近づくにつれて、車のエンジン音、きしむ音がすごく聞こえる。
今年度より「第4駐車場」でJAF公認を取得、新たに「JAFスピード行事競技コース」として、また「奥伊吹モーターパーク」としても新たにスタートした。
また、JAF公認化で公認大会も開催することが出来るとか。第4駐車場のアスファルト舗装が全面オーバーレイされた。
多くの車が集まり練習をしていた。山奥しかこうした会場はつくれないと思うが、騒音は山頂まで達していた。
     

奥伊吹スキー場
米原市甲津原
関西エリア最大級の規模を誇るスキー場。良質かつ豊富な雪があり京阪神や名古屋からも近い抜群の立地、近年の道路整備で車でのアクセスが非常に良くなり、渋滞も少なく人気が高い。
標高:1250m−700m 標高差:550m コース」12本 最長滑走距離:2500m 最大傾斜:46度 索道数:9本 
   
シーズンオフの為か人影はない。

ブンゲンを目指す
ブンゲンは伊吹山の北尾根から北へ連なる山稜にあるピークで、1259.7mの標高は、滋賀県内では三番目に高い山である。
これまで「ブンゲン」とか、「射能山」とか呼ばれてきた。この山の付近から放射能を有する鉱石を産出したことから名付けられたとあるが真偽は定かでない。
伊吹とは少し離れているが、同じ姉川流域にあり、姉川最奥集落の甲津原のさらに奥の瀬戸山谷にある。県内でも有数の豪雪地帯であるが、奥伊吹スキー場が開かれ道路は整備されている。
 
奥伊吹からブンゲンまでは二通りのコースがある。一つはスキー場の県境まで延びているゲレンデから頂上ヘのコース、あと一つは頂上からスキー場の一番下に向けて南に伸びている尾根を辿るコースである(若竹荘の南斜面)。今回はゲレンデのコースを行く。
登り口の標高は約720mである。ブンゲンの標高は約1260m 標高差の約540mを登ることになる。迂回するため距離は長い。

動く歩道―アルカンデ付近
     
第一ゲレンデのアルカンデの周辺は子どもと初心者用の滑走路であろう。少し先に伊吹村青少年旅行村案内と草野丈正氏の顕彰碑が見える。
草野氏はこのスキー場の開発者で、まだ現役の奥伊吹スキー場社長である。ススキが風にそよぐ風情は見ごたえあった。

レストハウスを左に見て、しゃくしなげゲレンデから登る。勾配:最大・平均=18・13 コースは初心者用 シャクナゲコースの滑走距離=650m
周囲の景色からは秋らしい気配を感じる。リフトや人工雪降雪装置などが見えだすとい いよいよ登りの始まりと緊張する。
      

コース地図
  
スキ―場は真ん中にある尾根を挟んで、どちらの斜面もゲレンデとなっている。
しゃくなげゲレンデ付近−最初から勾配がきつい急登である。この状態がずっと続く。
     

リフトの中継点で小休止(約35分かかった) 次はチャレンジャコースを歩く。勾配:30・20 コースは中級者用 滑走距離=350m
     
最大傾度30度、30度超えの圧雪バーンが楽しめる

名物コースである天狗岩コースをさらに登る。勾配=30・22 コースは中級者用 滑走距離=900m 
     
雄大な琵琶湖、北アルプスを臨む大パノラマが魅力的なコース。爽快なダウンヒル。

天狗岩周辺
    

分岐−リフトの終点 1190m附近
       

ブンゲンに近づく
周囲の眺望
          

三角形にちょこっと尖るブンゲンが見えだす
    

背丈の高さほどもあるチシマザサの藪―かなりの距離、掻き分けかき分け抜ける
    

三つ目のピーク ここで昼食をとる 絶景である。見慣れない姿の伊吹山が見える。
           

ブンゲン山頂
        
三等三角点 頂上の広場のスペース狭く、身動き取れない。

ブナ林ゲレンデ 勾配:20・13 コースは初心者用 滑走距離=300m
    
抜群の雪質と樹氷が美しいといわれる。 石灰土質の伊吹山ではブナが育たない。この地域は花崗岩地質である。紅葉はこれからであるが美景の程がわかる。

奥伊吹で目にした秋色
               
ブンゲンは、雪山をスキ−で巡るスノーハイキングを楽しむ山としても魅力的である。「写真は引用−近江東北部の山を歩くより」
 

奥伊吹の奥行の広さにビックリでした。かなり厳しい登りであった。


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