滋賀県長浜市 冷水寺
Reisuiji,Nagahama city, Shiga
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Nov.13,2017 中山辰夫
長浜市高月町宇根
冷水寺のある宇根は、湖北の主要道路でもある国道8号線と北陸自動車道が上を走る。この集落に鞘仏として十一面観音がお祀りされている。
この辺りは肥沃な農業地域で、高さのある建物も少なく大きな屋根や樹木を見つければ、そこは神社か寺院である。
宗派:無宗 本尊:十一面観音 開基:源信僧都 住職:無住 拝観:予約要
寺伝によると奈良時代の僧行基がこの地で観音像を刻み宇根に開いたと伝える宇根野寺が冷水寺の祖とされており、平安時代の貞観年中(859〜877)には円珍が再興、七堂伽藍を整備した。
1583(天正11)年賤ヶ岳の合戦の際に、豊臣秀吉と敵対した戦国武将・柴田勝家によって伊香郡北部は焼き討ちにあいお堂は焼失、本尊は焼損されてしまう。
1702(元禄15)年、村人たちが小さなお堂を建ててそこに安置されたのが今の胎内仏である。
胎内仏は表面が炭化してしまい両肘の先からはなく、そのお顔も元の姿を想像することは出来ないが、村人たちがその痛ましい姿を秘めるために現在の十一面観音を造り、台座内に納めたと言われている。
その後、宇根の人達の思いが、資料館建設へ動き出し、1998(平成10)年区民の企画・参画で手作りの「冷水寺胎内仏資料館」が出来上がった。
資料館
間口2.5m、 奥行き5m、展示面積は10平方メートルほどの本当に小さな資料館。
この世界一小さな資料館は区民の手でつくられ運営されている。資料館のオープンは宇根の街に活気をもたらしたとされる。
木造十一面観音坐像 江戸時代 像高:48.2cm 冷水寺蔵(観音の里資料館に保管) 引用≪特別展 湖北の観音≫
本像は本尊十一面観音の脇に置かれ、元は出開帳仏であったと伝える。
本尊:十一面観音坐像 江戸時代元禄年間の鞘仏 引用≪みーな VOL83≫
1996(平成8)年に行われた冷水寺の修復作業の際に、この鞘仏の台座の中に胎内仏(旧本尊 十世紀作)が納められていることが発見された。
旧本尊 104cmの菩薩型坐像 ケヤキの一本造 引用≪みーな VOL83)
真っ黒焦げの消し炭のかたまりの像(余りに痛ましいゆえに、村人が台座内に納めて鞘仏をかぶせた。焼けただれている。
参考資料≪滋賀県の地理、他≫
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