滋賀県長浜市 和蔵堂(善隆寺)
Wazodo(Zenryuji),Nagahama city,,Shiga
Category |
Rating |
Comment |
General |
||
Nature |
||
Water | ||
Flower | ||
Culture | ||
Facility | ||
Food |
June 10,2018 中山辰夫
江州伊香三十三カ所 観音霊場巡りめぐり 十一面観音 番外 和蔵堂 (善隆寺)
長浜市西浅井町山門964
ご詠歌 : 善きことの なお重なりて 隆昌の 山号ゆか和の蔵の文字
平安時代後期に造像された「十一面観音立像」と「仏頭」が善隆寺の文化財収蔵庫に安置されている。
もともとは古い時代にここから南へ1キロ離れた「庄(しょう)」という村の字和蔵にあった天台宗の安養寺のお堂に安置されていたと伝えられている。
その後、現在の地名である山門の集落が生まれた室町時代に今の場所に移ったという。
十一面観音菩薩 国重要文化財
立像 平安時代後期(十世紀) 木造(サクラ材) 一木造り 彩色 像高:101.5cm 内刳のない古式の構造で全体的に穏やかな作風。
十一面観音は頭上に頂上仏面一面と頭上面十一面を配し、天冠台を付ける。右手を下げて第一・三指を曲げ、左手は腹前で花瓶を握る。腰を左に曲げて,右膝を軽く前に出し、足裏角?二本と像底丸?一本で台座上に立つ。地髪部を平彫りとし、髪束一筋が耳を亘る。耳たぶは環状とせず、首に三道をあらわす。
目尻が切れ上がり鼻筋の通った均整のとれた表情。その表情は日本的な柔らかさとは異なり渡来系の表情をしている。
細部
ふくよかで落ち着いた観音。小像であるが均整が取れている。
仏頭 国重要文化財
平安時代 像高:65.1cm 半眼 閉口 螺髪は切付 耳朶環状で中央を貫通する ヒノキ材製 一木造
長縁寺旧蔵で、善隆寺の文化財収蔵庫に安置されている。十一面観音立像の隣にある仏頭は、半丈六の阿弥陀如来坐像の仏頭で、あまりに大きいために頭だけを抜いてこの地に移したと伝えられている。
細部
眉のやわらかな曲線、頬の膨らみが平安後期の典型的な表情をしている。
如来型の仏頭 背面は省略部が認められ、正面からのみ見られることを意識して彫り込まれている。
伏せた目や鼻・口を丸い顔の中央に集めるのは定朝様を踏襲する。正面では整然と配列された小さな螺髪は、後頭部に回るほど粗になる。
集落の人々に丁寧に守られている。
善隆寺
長浜市西浅井町山門964
JR永長駅から約20分歩くと山門の集落に入る。大浦川沿いに歩き、昔栄えた大浦道を歩む。山門は水田と山々に囲まれた集落で、その山裾に善隆寺がある。
宗派:浄土真宗仏光寺派
本尊:十一面観音
もと天台宗で庄の字和蔵にあったが、1534(天文3)年現在地に移転・改宗
参考資料≪滋賀県の地名、ボランテイア協会資料、湖国と文化、他≫
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中