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滋賀県近江八幡市 西川嘉右衛門家

Nishikawa Kaemonke,Omihachiman city,Shiga

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Nov.8,2015 中山辰夫

滋賀県近江八幡市円山町

近江八幡市円山町で400年以上にわたりヨシ卸売業を営んできた旧家、西川嘉右衛門家が特別公開された。葭は葭葺屋根やスダレの素材である。

    

同家のある円山町一帯は水郷地帯として重要文化的景観地区に指定を受けている。水郷めぐりやヨシの群生でよく知られている。

     

葭はイネ科の大型多年生の抽水(ちゅうすい)植物で、1年で1m〜4m位の草丈に成長する。かつては琵琶湖に注ぐ河川の河口域や内湖周辺を中心に琵琶湖全域に分布していたが、内湖干拓事業や総合開発により、その分布は減少傾向にある。昔から円山一帯は主要な生産地である。

ヨシは生産者が販売も行った。ヨシ農家がヨシ問屋であった。円山にはアシ業を正業とする有力なアシ問屋8軒が集まり、ここから県下や全国へ移出された。

その内の1軒である西川家は江戸時代から始まり、近代において葭嘉商店(よしか)を名乗り、集落周辺に広大なアシ地を所有し、地主経営の一環としてアシを販売して来た。現当主は17代目である。

西川嘉右衛門邸

     

豪邸である。数年前までは住まいとして使われていたが、今は空家。ヨシに関する資料が邸内に展示されていたが、今は琵琶湖博物館で展示されている。

江戸時代後期から明治初期に建てられた主屋や土蔵の一部のほか、高さ4mにもなるヨシを選別保管する作業小屋もある。作業所は現役である。

        

葭の苅初め 12月の初子(はつね)は、ヨシ刈りの初日とされ、ヨシ三束を三脚状に立てる。 家伝の「二股大根に鼠」の木彫を神棚に飾る。

  

西川家には「西川歳時記」が残る。17代目の現当主・西川嘉廣氏の祖父・西川嘉右衛門氏が1897(明治30)年元旦に筆を起こし、父が昭和初期までを補筆された当家諸行事の記録である。往時のヨシ生産者の生業、などが詳しく書かれているという。

   

引用は「近江八幡の歴史第二巻より」 ヨシについては、西川嘉廣 著の「ヨシの文化史」が詳しい。

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