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滋賀県大津市 安養院

Anyoin,Otsu city,Shiga

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Dec.2012 中山辰夫

西教寺とは道を隔てて建つ。西教寺の境内の紅葉と競い合うように、安養院も満開を誇っていた。安養院の外回り

境内の紅葉

 


May.2011 中山辰夫

大津市坂本本町3210 境内にある建屋はすべて国登録文化財である。西教寺の塔頭で、参道東端の西教寺総門と道路を隔てて建つ。

山門 国登録文化財 建築:昭和10年(1935)木造 瓦葺 間口1.8m

木々に囲まれ閑静な雰囲気を保っている。

薬医門で軒廻りや組物は簡素であるが、絵様細部は大柄で、堂々とした外観を持つ。歴史的景観に寄与している。

境内

清流の水音が庭全体に響いていた感じである。

瓦にある“大根”にいわれがあると聞いたが・・・・。 教えて欲しい。

安養院は恵心僧都源信につらなる安養尼の遺跡の旧地と伝えるが、現在の建物は昭和初期に山口玄洞氏の寄付で再興された。

阿弥陀堂・聖天堂・庫裏・書院・弁天堂・門・地蔵堂・礼拝堂等の境内にある建屋はすべて国登録文化財である。

4月5日から7日まで西教寺で行われる「法華千部会」では、参加する住職の支度場となる。

桜、モミジの時節、境内は眩しいほどの美しさとのこと。

阿弥陀堂(本堂) 国登録文化財 建築:昭和9年(1934) 構造:木造平屋建、入母屋造、桟瓦葺、建築面積97㎡

乱石積基壇上に東面して建ち,4周に切目縁を廻し,正面1間を広縁とする。禅宗寺院の方丈建築を意識しつつ,内部空間や細部の造形に近代的要素がある。

弁天堂 国登録文化財 建築:昭和10年(1935) 構造:木造平屋建、銅板葺、建築面積12㎡ 基準:造形の規範となっているもの

敷地西側のほぼ中央の小高い地に東面して建つ。

方形平面で背面に仏壇部を張り出し,正面と両側面に擬宝珠高欄付の縁を廻し,軒は深くつくる。

小規模だが,軸部を長押で固め,組物を三斗,建具を板扉と連子窓,内部を小組格天井とした正統的な和様の仏堂建築。

聖天堂 国登録文化財 建築:江戸後期 構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積55㎡ 基準:再現することが容易でないもの

天保期の絵図や,細部の様式から江戸後期と考えられ,安養院で最古の仏堂。

内陣を核として,前面へ凸状の外陣を設け,右手に炊事場,左手には書院が接続する。

土蔵造で宝形屋根の内陣と入母屋造の外陣などを巧みに処理した複雑で特異な形態の仏堂。

庫裡 国登録文化財 建築:昭和3年(1928) 構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積175㎡ 基準:造形の規範となっているもの

敷地のほぼ中央に,北面して建つ。

入母屋造,妻入で,ゆったりとした桟瓦葺の大屋根を架け,4周に下屋庇を廻し,西側には切妻造の台所棟を連結する。

側廻りは角柱に舟肘木をあげ,内部は均整のとれた比例で室内空間をつくり,欄間などの細部は繊細である。

書院 国登録文化財 建築:昭和5年(1930) 構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積58㎡ 基準:造形の規範となっているもの

庫裡南側にあり,西南隅が聖天堂と接続する。

入母屋造,桟瓦葺,妻入で,内部は床構えのある居室と炊事場からなり,庭に面した東と南に矩折れの廊下を設ける。

規模は小さいが,床の構成や土壁の仕上げなど,趣がある瀟洒な室内意匠を備えた住宅建築。

地蔵堂 国登録文化財 建築;江戸末期 構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積32㎡ 基準:造形の規範となっているもの

庫裡南側に南面して建つ宝形造,桟瓦葺の小堂。

部材の風蝕程度から,江戸末期頃の建築と思われる。内部は1室で,4周に軒支柱を立てて,背面を仏壇,

左側面を物置にする。

全体に質素であるが,正面は時代に相応しい豪華な彫刻欄間を設け,意匠を引き立てる。

礼拝堂 国登録文化財 建築昭和8年(1933) 構造:木造平屋建、瓦葺、建築面積14㎡ 基準:造形の規範となっているもの

聖天堂西側にあり,渡廊下で連絡している。

桁行3間,梁間2間,入母屋造,桟瓦葺の小規模な建物。角柱に舟肘木をあげて,桁を受ける。

1軒疎垂木であるが,緩やかに反った軒をつくり,木連格子の妻飾や正面と両側面に設けた連子窓など,丁寧な造形である。

蔵 国登録文化財 構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積30㎡ 基準:造形の規範となっているもの

阿弥陀堂の北側に並立して建つ。総2階建,寄棟造,桟瓦葺,妻入で,外壁は腰をモルタル塗,上部を漆喰塗とし,東面に銅板葺の庇を設ける。

派手さはないが,東面の出入口廻りは漆喰で鳥居型につくり,内部の壁も幅広の縦板壁とするなど,技術的な質が高い。

参考資料《国文化財データーベース》


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