滋賀県大津市 福聚禅院
Fukujuzenin , Otsu city,Shiga
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Aug.2011 中山辰夫
大津市本堅田二丁目
臨済宗大徳寺派
本尊:観世音菩薩
南北朝時代(1336〜92)大徳寺開山の大燈国師の弟子、海岸了義禅師が禅修行の道場として開く。
福聚院は創建から二度にわたって大火に見舞われ、史料の多くが失われた。
現在の建物は、平成元年(1989)に再建された。
本堂・庫裏・鐘楼などの伽藍が黒松で引き立てられている。 沖を行き来する船頭たちは、この松を目印にしていたかも知れない。
法華塔
門を入って左側の片隅にある。門と松の間には、弘化2年(1845)建立の法華塔がある。
この塔には大乗経典である法華経の一字一句を刻んだ小石が納まっており、三界万霊を供養するため建てられた供養塔である。
獅子瓦
逆立ちしながら前方を見据えている。魔除け、厄除けの意味を表す
黒松
由緒は何も伝わっていない。推定樹齢:300年、樹高:15m、幹周2.7m、幹の中は地上6mまで空洞化しているが、樹勢は旺盛
である。
松は供養塔のそばにあり、幹は門前の道路まで張り出している。
漁港から眺めると平成元年に再建された本堂・庫裏・鐘楼などの伽藍がこの松で引き立てられている。
貫禄のある松である。
海岸了義禅師
大徳寺の残る大燈国師書状によれば、建武中興の抗争で諸国が混乱したとき、大燈国師の命で南朝方の使者となり南帝へ
行く途中、関所にいた北朝方の関吏に「北朝方の夢窓国師の弟子になれ」と薦められたが、「出家して坊主になった者が己の
死を恐れて師匠を変える事は出来ない」と断ったため首をはねられたとある。
そのとき、赤い血でなく、白い乳状のものが出て路上を染めたので関吏は「さすが修行されたお坊さんだけある」と感嘆、悔謝した
と書状に記されている。
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