滋賀県大津市 三津浜の湊と七本柳
Mitsuhama,Otsu city,Shiga
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坂本・下阪本全体を含めて評価した。 山王祭がメイン |
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June 2011 中山辰夫
大津市下阪本三丁目
下阪本地区は下阪本1〜6丁目、比叡辻1〜2丁目、木の岡町を指す。
中世の坂本は、南の穴太(あのう)、北の苗鹿(のうか)などを含む広い範域をさしたとみられ、その中に延暦寺・日吉社の門前である地域とその外港というべき戸津などの湊を中心に展開した地域があった。
門前に社家・山徒らの坊舎などが立ち並び、都市景観を呈した地域が上坂本である。
一方、東国・北国からの延暦寺村および京都への物資の荷揚場として栄えた三津浜の湊は、古来より琵琶湖の湖上交通の要港であるとともに、北国海道(西近江路)沿いでもあり商業活動も盛んであった。この地域が下阪本である。
三津浜の碑
明智光秀像の建つ北大津湖岸緑地公園の一角に碑が建っている。三津浜は、今津、戸津、志津の総称である。
延暦寺の寺勢が拡大するにつれて経済的な規模も拡大した。平安時代後半には数千を超える人々が寺に入ったとされる。
生活物資の供給だけでも膨大で、一手に預かった下阪本の賑わいは頂点に達した。その中心となるのが三津浜であった。
また中世は、貢納物を保管する問屋や運送業者の馬借や車借がおり、彼らにより物資は大消費地・京都へ運ばれた。
七本柳
公園と隣接している。
161号線沿いに、広い空き地と湖岸に向けて建つ赤鳥居と、枝葉が切落とされた柳の樹木が見える。
そこが七本柳である。
日吉大社の大宮三輪明神が、大和から唐崎を経て、ここから坂本に向ったという伝承の地である。
鳥居の形は、笠木の上に比叡山を象徴した山形を形どった山王鳥居と呼ばれる形である。
切り落された柳は、お祭りの頃にはたわわな枝葉をつける。
下阪本の港跡につくられた鳥居と桟橋。ここは、毎年4月14日、日吉山王際「船渡御」の場となる。
日吉の七基の神輿がここから湖上にでる。
船渡御(4月14日)「湖上巡幸」
神輿が七本柳乗船所で台船に乗せられる。神主は湖上で、唐崎からきた粟津の御供を神輿に献じ、祝詞を奏上する。
この神事は、平安朝の絵巻が繰り広げる様を見る感で打たれる。前方には近江富士・三上山の姿が美しく見られる。
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