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滋賀県大津市 関寺跡

Sekidera ato ,Otsu city,Shiga

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July.2011 中山辰夫

 

大津市逢坂1〜2丁目

世喜寺とも記される。

逢坂関のそばにあった寺院。逢坂関に隣接するとことから寺名がついたとされる。

創建年代は明らかでないが、平安時代にはすでに崇敬を受けていた。

万寿2年(1025)の「関寺縁起」によると、

関寺の本尊は五尺の弥勒菩薩で、関寺大仏ともよばれ、都にも知られていたが天延4年(976)の大地震で破損した。

このため恵心僧都源信がその復興を志し、弟子の延鏡の尽力により寛仁2年(1018)本尊が完成、治安2年(1022)に伽藍も完成した。

この時、工事に使うよう清水寺の僧が寄進した役牛が、実は迦葉仏「かしょうぶつ 釈迦以前に出現した仏」の化現であるとする夢告がありこれを聞いた殿上人が競ってこの霊牛に結縁した。

役牛は死後、堂の裏山に埋め、埋めた地に立てられた供養塔は関寺牛塔と呼ばれ、多くの信仰を集めた。

「梁塵秘抄」には近江の名所として「関山関寺大津の三井の颪(おろし)」などとあげている。

永享12年(1440)には関寺弥勒堂の造営が行われている。

関寺はその後衰退し、牛塔も戦国時代の兵乱で埋没していた。

これを元禄期(1688〜1704)に掘起し再興したとされるのが、現在逢坂二丁目の長安寺に残る石造宝塔「国指定文化財」で、このことから逆に長安寺が関寺の寺地を引き継いでいるとうかがえる。

長安寺の牛塔

資料 関寺小町と百歳堂【月心寺】

 

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