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滋賀県大津市 富川磨崖仏
Tomikawamagaibutsu, Otsu city, Shiga


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April.13.2018 中山辰夫

大津市大石富川町

鎌倉時代作、大きな花崗岩からなる岩壁に彫られた高さ約5m、幅約20mの磨崖仏。磨崖仏右の岩肌に1369(応安2)年の銘文がある。もとは岩屋山明王寺跡と伝えられる。狛坂磨崖仏と並び近江を代表する磨崖石仏である。
本尊である中央の阿弥陀如来像は、耳辺りから鉱水が流れ出ていることから俗に「耳だれ不動」と呼ばれている。
そのため、耳の病気に効験があるとして親しまれており、耳病の人の信仰を集め参詣者が多くいた。

瀬田川にかかる鹿跳橋近辺から信楽の方へ歩く。
大石の集落に入ると2〜3の寺院がみられる。重要文化財の仏像を有する寺院もあるが全て無住と聞く。
信楽橋をこえる。道沿いに植えられた花を見ながらの散策である。
          

集落を過ぎ国道422号線を進む。左側は一級河川の信楽川。巨岩が川床にごろごろ転がっている。
信楽川は起点の信楽町から大津市へ流れる淀川の支流。大津の大石東の鹿跳橋南方で瀬田川左岸に注ぐ。国道422号にほぼ沿って流れる。
      

目印のスポット あと一息!
    

道路傍に標識発見 一旦信楽川へ下って岩屋不動橋をわたり対岸の木立を目指す 5月頃から渓流釣りが始まる
          

磨崖仏がある山並み 対岸の道からは見えない
  

渓流釣りの管理事務所
    

事務所の前から参道が始まる。参道は石段積で乱れており要注意である。周囲の景色から大規模な廃寺跡であるとうかがえる。
周囲には小岩がゴロゴロ転がっており荒廃の兆しが見える。磨崖仏への道は2〜3本あるようだ。
        

大岩壁
高さが約30m、幅20mもあろうかと思われる垂直の大岩壁に成功に刻まれた阿弥陀三尊の磨崖仏の全景
      
説明
 
正式には阿弥陀三尊不動明王磨崖仏といい、中央に本尊阿弥陀如来坐像、脇侍として左右に観音・伊至の両菩薩立像を配し、典型的な三尊像の構成となっている。向かって左下に不動明王立像の線刻がある。

勢至菩薩像
    
主尊の方を向き踏割蓮華座の上に立つ。宝冠には水瓶が付き、中尊側の手を与願印とする。

観音菩薩像
       
主尊の方を見るように斜めを向く。宝冠に化仏をあらわす。中尊側の片手を与願印とし、もう一方の手に蓮華の茎を持つ。勢至と共に薄肉彫り。

阿弥陀如来像
         
像高3.64m。像の周囲を彫り窪めて、板彫風に線や面を薄肉彫りした陽刻。そのため、口や目などの表現が不自然になっている。
蓮華座の上に座わり、その下には格座間を配している。

耳たれ不動へのお祈り
     
阿弥陀如来の左耳からは水が染み出て耳を患っているように見え、病を克服している存在として命名された。
仏の前の小堂には「耳が聞こえるように(耳が通るように・・)」の願いが込められた「錐」が奉納されており、今につながっている感じである。

不動明王立像
    
観音菩薩の傍らに小さく浅く、線刻の絵画的な表現で刻まれているが風化による損耗が激しい。阿弥陀三尊像と同じく鎌倉時代作とされる。

岩屋
     
磨崖仏の右手の崖に洞穴が開口していた。磨崖仏としての阿弥陀仏が刻まれる前から不動明王が祀られていたかも・・・。
急坂で近くまで行けなかった。洞穴は神秘的。

磨崖仏の前のスペース お祈りの小堂がある。訪れる人のある気配が感じられる。
        

長島水神−磨崖仏から少し離れた、一段高い所にある。
     
岩屋不動の傍らの磐の割れ目から水が湧き出て、「長島水神」が祀られている。この湧水の廻りには平坦地がつながっているように見える。
恐らく不動寺、或は富川寺と呼ばれる寺院の遺跡と思われる。
拝殿には鰐口と注連縄が並んで並べられている。

参考
白洲正子 「かくれ里 :石をたずねて」
鎌倉時代の雄大な阿弥陀三尊で、一名「耳たれ仏」ともいい、耳の病に効くという民間信仰があるが…古くはここに富川寺が建ち、・・・もっと
古くはやはり巨石の信仰で、古代の岩境に、仏の像が刻まれたのであろう。石を切るのは悪い習慣だが、そういう所にも、生きた侵攻が見られ自然の石が仏の姿を借りて、民間に浸透して行った長い歴史が窺われる。

参考資料 ≪石仏讃歌、滋賀県の歴史散歩、滋賀の地理、他≫

2011.7.31撮影 大野木康夫 HD video

所在地 滋賀県大津市大石富川町

春日神社の西約800mのところ、勢多川漁協事務所の奥にあります。

     

少し石段を登ると、磨崖仏が見えてきます。

    

阿弥陀三尊不動明王磨崖仏(大津市指定文化財)

阿弥陀三尊に不動明王を加えた4体が高さ40mの花崗岩の岩肌に刻まれています。
阿弥陀如来像の耳あたりから鉱水が流れて赤く染まっていることから、「耳だれ不動」と呼ばれています。

               



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