滋賀県近江八幡市 小田神社
Odajinja, Oumihachiman city,Shiga
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近江八幡市小田町54 小田神社楼門 重文 近世以前/神社 室町前期 室町前期 三間一戸楼門、入母屋造、檜皮葺 19170405
正面鳥居
楼門(重要文化財)
拝殿、本殿
2012.8.25撮影
小田神社は近江八幡南部の田園地帯に鎮座しています。
鳥居と楼門
拝殿と本殿
楼門(重要文化財)室町前期の建築
三間一戸楼門、入母屋造、檜皮葺
近江八幡市小田町54 主祭神:大山咋神 例祭:五月二日小田神社は市内西方の日野川沿いに鎮座する。国道477号線「十王町」バス停近くである。
そこを右折れすると小田神社である。
松林の中に石鳥居と楼門を構えておりいかにも古社らしく、清楚で森閑としている。草創は明らかでないが、古代この地は野洲郡仁保庄(にほしょう)で、江頭・小田・十王の産土神である。
中世以来京都の上加茂神社の社領であったため、その分霊を奉祀したものと伝えられる。
社記では欽明天皇のときの小田神がこの地に鎮座し、養老2年(718)に社殿が造営されたという。
「興福寺官務牒疏」によると、仁保郷内に640年(欽明天皇12)に僧?(みん)が仁保寺を草創し本尊は薬師如来、それに七つの僧房が建っていたと記されている。
承和3年(836)仁保寺の僧頼智が小田神社に参篭して長命寺の再興を祈願した。
貞観7年(865)に奥島の神宮寺創建を願い出た僧賢和もこの寺の僧であったといわれる。
中世以来京都の上加茂神社の社領であったため、その分霊を奉祀したものと伝えられ鎌倉時代の正嘉元年(1257)の古文書に小田神社の名称があるためこの頃とみなされる。伝説に、織田信長が安土築城の時この楼門を運ぼうとしたが、氏子達が一夜にその脚部を切り縮めたためその難をのがれたといわれている。境内には楼門・拝殿・本堂が建ち並び、楼門が国の重要文化財に指定されている。
本殿玉垣内向かって右に南北朝の石燈籠が立っている。
また近くの仁保寺跡に、神社所属の「大日堂」が民家の間にあって、重要文化財の大日如来坐像が厨子内に安置されている。
地元には室町時代の成立とされる「近江国邇保庄条里図」(江頭町自治会区分書)も伝えられており、小田神社を中心とする「邇保庄」は中世の面影を伝えているとされる。
今も十王町を「仁保」と呼ぶのはこの名残とされる。
たまたま神社の世話役人さんにお会いでき案内を請うた。
主な建物:楼門(国重文)、手水舎、宝物庫、神輿庫、社務所 境内社:3社
楼門
国重要文化財:建造物:指定1917 04 05 :南北朝に建築
三間一戸楼門、入母屋造、桧皮葺
内部の紅梁や板蛙股に、時代色を示し、外観は鎌倉風の余風を残して堂々としている。
二階は一階よりやや狭い三間に二間で、組物は三手先(みてさき)で尾垂木(おたるき)を用いる。
軒は二軒で、屋根は入母屋造とした一般的な楼門である。
昭和17年(1942)に解体修理が行われた。
手水舎
拝殿
間口四間、奥行四間
幣殿
本殿とつながっている。
本殿
一間社流造、間口三間、奥行二間
彫刻が躍動感もあって素晴らしい。
神輿庫
石燈籠
三本並んで建っているので見分けにくい。世話人さんが真中だろうと教えてくれた。
本殿玉垣内の石燈籠は火袋が後補で、中台と中節珠文帯の竿と基礎がすぐれている。
大日如来坐像
国重要文化財:彫刻:藤原時代
法界定印の胎蔵大日で、像高92.4cm、一木彫、彩色はほとんど落ちて素木に見える。衣文に翻波式があるが、表情は柔らかで、藤原初頭の造像とされる。
特徴は頭上に作り出した高い宝冠の正面に五智如来の五体を浮彫りし、いかにも密教的であることとされる。
近江には藤原時代の大日像が十体指定されているが、胎蔵大日が多く、その中でも本像が最も古いとされる。
他に大般若経六百巻も国重要文化財である。「近江国邇保庄条里図」
条里制の資料として全国的に知られている。
小田神社の大祭
中世の荘園の結びつきによる三村、氏子三町により、松明奉火や太鼓、神輿の渡御が行なわれる。
春の祭礼は一年で最も賑やかで、惣鎮守にふさわしい歴史と伝統を持つ行事といわれる。
4月13日が宵宮、14日が本日(ほんび)である。現在はそれに近い土曜日、日曜日に行なわれる。
祭りの中心を担う「祭礼団」(団員はワカイシュ(若い衆))と呼ばれる青年団が祭りの準備や当日の巡行などに奉仕する。
三町の若い衆による宵宮の太鼓渡御、松明奉火、花火が華やかに行なわれ、本日には太鼓や神輿、稚児の渡御が行なわれる。
参考資料《滋賀県神社誌、総覧日本の建築、滋賀県歴史散歩、近江八幡の歴史、ほか》
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