滋賀県栗東市 安養寺
Anyoji,Ritto city,Shiga
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栗東市安養寺88 安養寺十三重塔 重文 近世以前/その他 鎌倉後期 鎌倉後期 石造十三重塔(うち第九・十・十一重を欠く) 19600209
September 20,2020 大野木康夫
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所在地 滋賀県栗東市安養寺88
境内入口
山門
薬師堂
十三重塔(重要文化財)
鎌倉後期の建造
石造十三重塔(うち第九・十・十一重を欠く)
Sep. 2009 撮影/文: 中山辰夫
東方山安養寺(とうぼうざんあんようじ)
栗東市安養寺88
真言宗東方山安養寺は手原駅の南約1km、名神高速道路栗東インターチェンジの南700mに位置し、安養寺山の麓にある真言宗のお寺である。
安養寺山(約234m)の北側には4〜7世紀の古墳が多くあってこの地域が古くから開けていたたことの証しでもある。
市庁舎が安養寺地域に建設されることに決まってからは周囲が一変した。
安養寺は天平12年(740)、聖武天皇の勅願により奈良東大寺の良弁僧正が創建したと伝わる古刹で、金勝寺二十五別院の一つと伝える。
初めは法相宗であったが、空海が中興して真言宗に改めた。
皇室の帰依も厚く、弘長3年(1263)亀山天皇が諸堂を再建したと寺伝にある。
長亨元年(1487)に室町幕府将軍足利義尚が六角征伐のため、安養寺に出陣し陣所とした。[鈎の陣所]である。
この時の兵火で焼失、その後再興されたが、信長の近江六角攻めの兵火で本堂・僧房をすべて焼失し荒廃した。
復興に尽力したのは古刹の荒廃を惜しんだ僧慧堅戒山(えけんかいざん)和尚である。
戒山は貞享2年(1685)、樋口正信居士が復興をはかった安養寺に迎えられ、教学の振興に尽力した。これが現在の寺である。
安養寺は江戸時代より大宝神社の氏子で卯月祭礼に参加していた。神社の大祭には、3年に一度御輿の渡し番が廻ってくる。
僅かな期間とはいえ政治の中心ともなった安養寺であるが、当時の様子は観音堂に貼られた足利義尚・義政の歌より偲ぶしかない。
往時の隆盛を知っているのは奥深い安養寺山一杯に広がる境内の森のみか・・・・。
石塔十三重塔及び木造薬師如来坐像が重要文化財である。
寺宝としては室町時代の阿弥陀如来立像や毘沙門天立像、両界曼荼羅、十六善神画像などが所蔵されている。
観音堂以外の主な建物として表山門、客殿、薬師堂、鐘楼、庫裏、放光殿、練成道場が建ち並びに県名勝指定の庭園がある。
表山門
観音堂
薬師堂
十三重塔
1332年石造 鎌倉時代
国重要文化財: 指定 1960・02・09
石造十三重塔(うち第九・十・十一を欠く)
薬師堂の前に立つ。
高さは334cm。現在は欠いて十重になっているが、造られた鎌倉時代には十三重あったとされている。
塔身には四仏を刻みだし、上部に相輪が乗っているが、水煙が四方に作り出されている。
軒反りが美しい。塔身には像容の4仏が彫られている。
基礎が珍しく三面が格狭間、一面だけは二区に分かって僧形らしい二体を刻出している。
彫りが今もはっきり残っている。
安養寺庭園
県指定名勝・庭園:指定 1982・03・31
客殿西北に広がる庭園は県の名勝に指定された池泉鑑賞式の庭園である。
琵琶湖を形どった池の周りに近江八景を配し、四季折々に素晴らしい景観を織り出している。
この庭園の一つのポイントは、山裾を利用した築山の一角にさらに土饅頭のような甲盛があること。
二つ目は山裾を利用した築山で、全体的に中央が凹んでいて山からの水を一旦ここに集める点にある。
木造薬師如来坐像
国重要文化財:彫刻:1900・04・07
像高136.8cm 薬師堂の本尊として須弥壇上に安置される薬師三尊像の中尊である。三像のうち中尊のみが重要文化財である。
半丈六の堂々たる像で、左手の上に薬壷を載せる当代通例の姿に表され、漆箔仕上げとなり飛天光を背にする。
日光菩薩立像 像高:172.7cm
月光菩薩立像 像高:174.7cm
県重要文化財
13世紀半ばを前後する頃の作例として位置づけられている。
阿弥陀如来立像 像高:78.8cm
県重要文化財
来迎印を結ぶ三尺の阿弥陀立像で、頭体部を通して足に至るまでヒノキの堅一材から造り、両耳後を通る線にて前後に割矧ぎ、内刳を施している。
毘沙門天立像 像高:91.8cm
県重要文化財
ヒニキの一材から造り出し、内刳を施さない。腰を右に捻って邪鬼上に立っている。
十二神将像
戒山慧堅によって元禄5年(1692)に造立されたもの。
[参考文献:栗東の歴史、近江栗太郡誌、栗東の文化、近江の彫刻、東方山安養寺の歴史と美術、より抜粋]
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