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滋賀県栗東市 JRA栗東トレーニングセンター

JRA Ritto training center,Ritto city,Shiga

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June 25, 2016  中山辰夫

JRA栗東トレーニング・センター

栗東市御園1028

『予備情報』

現在中央競馬(JRA)は、農林水産大臣の監督下に置かれた日本中央競馬会(1954・昭和29年に設立)が開催している。

全国10か所の競走場で、年36回の競馬を開催する。1回の開催は8日間。原則として土曜日と日曜日に行う。

JRAトレーニング・センターは、茨城の美浦と滋賀の栗東の2か所にある競走馬の調教施設。東西の厩舎を抱え、調教施設や医療施設を完備している。

  

栗東トレーニング・センター(略 トレセン)は1969(昭和44)年11月にJRAで最初のトレーニング・センターとして栗東の地に誕生し競馬会の発展に寄与してきた。

湖南アルプスからの遠景

  

栗東町に建設の理由は、1963(昭和38)年に名神栗東ICが開通したこと、京阪神・中京にも近い事、必要なスペースの開発が可能であったこと、などによる。

早くもここ数年で50年目となるトレセンは、栗東市とも一体となって「馬の町 栗東」の名のもとに街づくりに専念している。

栗東トレセンは、甲子園40個分もの広大な敷地の中に、6つのコースを持つトラック型調教コース、1,085mの坂路調教馬場、競走馬スイミングプール、そして逍遥馬道といったさまざまな調教施設を有している。

また、約2,000頭の競走馬を収容するための馬房、競走馬診療所、調整ルーム、事務所棟などの事務施設のほか、乗馬苑などさまざまな施設を備える。

栗東トレセンで調教を積んだ馬たちは、レースの直前になると、トレセンから出走する競馬場に移動するが、京都競馬場・阪神競馬場・中京競馬場へはレース当日の朝に、その他の競馬場には、レースの前日までに輸送される決まりとなっている。

武田文吾は五冠馬シンザン・二冠馬コダマ・牝馬二冠馬ミスオンワードなどの名競走馬と、栗田勝・福永洋一などの名騎手を育てた。

A〜Eコースのトラックコース、1周50mのプール、そして坂路コースと逍遥馬道がある。

栗東トレセンでは夏は午前5時〜9時、春・秋は午前6時〜10時、そして冬は午前7時〜11時に調教を行う。

一頭4〜5,000万円以上で買われたサラブレレッドを、調教師、騎手、調教助手、厩務員が調教に携わる。中でも、調教師はそれぞれの馬に合せた調教メニューや体調管理に心労の日々を送る。毎日の小さな、小さな努力の積み重ねが何時か大きな塊になる—それを夢見る厳しい仕事でもある。

                              

トレセンの一日 とトレセンの業務 (引用:栗東トレセン資料)

  

トレセンの朝は早い。調教師が馬房巡回をする午前4時ころから動き出す。スタッフが帰る午後4時以降は静寂な世界となる。

調教についての説明を受ける。発走練習→ゲートイン練習 

調教用の「馴到用ゲート」

競走馬は能力があってもゲート試験に合格しなければ、競馬のスタートラインにさえ立つことができない。従いゲート訓練は繰り返し行われ合格が条件である。

    

馬はもともと臆病なのでこういう狭いところは苦手。ちなみに、ゲートは1番から2番までが本番と同じ幅で、3〜4番は練習用に幅を広くしてある。

訓練用のゲートは、幅が79cmの2連と99cmの2連、前後扉は付いていない。本番は61cm巾の8連で、前後扉付きである。

    

「前扉を閉めた状態でゲートに入れて、後ろ扉を閉めて駐立し、常歩で出ること」が育成時のゲート練習とか。

ゲート通過は広い4番ゲートから始め、最後は競馬と同じ広さの1番ゲートで終わる。毎朝の調教の時もゲートを通過して馬場に向かう。

レースでのスターターは競走馬と騎手に次ぐ主役。スターター役は獣医職と乗馬経験者しかなれない厳しくて高度な技術・知識が必要とされる重要な職務。

調教は、各厩舎→準備運動をする追馬場→馬をリラックスさせる逍遥馬場→地下道→コースイン(コースない練習)。

調教師のメニュ−に従ってトレーニング。逍遥馬場では2時間ほど歩いてから、各コース及び坂路コースに入る。

地下道

 

坂路(はんろ)調教コース・

「傾斜がつけられた調教コースで、1985(昭和60)年に栗東トレーニング・センター、1993(平成5)年には美浦トレーニング・センターに作られた。1980年後半から、メジロマックイーン、オグリキャップ、トウカイテイオウ等の関西馬(栗東トレセン所属の競走馬)の大活躍が目立った時に、坂路コースとの関係が取りざたされた。

平坦なコースと違ってスピードが出にくいこと、馬場材にウッドチップを使用していることから脚にかかる負担が少ないことが大きなメリット。坂を駆け上がる調教を繰り返すことで、心肺能力を高め、後肢の鍛錬にもなるといわれる。一日2回走るのがが精一杯ときく。

コース概略図 「本コース、逍遥馬場、追馬場を含む」

        

全長1,085m、ビルの高さ30mの勾配を駆ける。800mの区間で調教時計が計測される。(51秒内外か? 未確認 ) 0.1秒を争う

栗東トレセン坂路馬場に使用のウッドチップはスギとマツの木片である。スギは樹液が少なく摩耗しにくいが材質が柔らかい、これに材質の固いアカマツを混合して適度なクッションン性を得ている。チップは?当り1万円、年3回入替えされる。チップの入手は容易のようだ。

   

調教タイム

以前はバ−コーダを取り付けた競走馬が坂路馬場を走行すると、200mごとにハロン地点の地上10mに設置されたセンサーがバーコードを検知して計測する仕組みだった。現在は競走馬にICタグを装着し、各ハロン地点の地中に設置した受信機にて、ICタグの電波を受信してタイムを算出する方式と聞く。

  

10m高さのポールは名残である。建物は通称"カメラ小屋"

参考 美浦トレセンの坂路コース

 

長さは1200mと延長された。

調教スタンド (坂路スタンド)

  

調教師の厳しい目が調教を見つめる。土曜日に出走予定の馬には水曜日に、日曜日の馬には木曜日に≪追い切り 時計を取る調教≫という最後の仕上げを行う。また、報道関係者向けの調教タイムの計測(タイムは200m,400m,600mno地点で計る)や記者会見、新聞記者への情報提供などが行われる。

スタンド4階から見た馬場

        

4階のこの部屋は絶好の場所。全景が見える。設置のテレビにタイムが映し出される。

ここで得られた情報が新聞記者の手で競馬予報にも反映される。設置のテレビにタイム映し出される。

        

調教師関連

栗東トレセンには約1200世帯、4000人の人々が生活している。馬の数は約1500頭。

調教師は100人、一人当たり20頭分の馬房を与えられる。馬主からは一頭当たり月60万円の調教費が支払われる。

賞金については、馬がレースで得た賞金の10%が進上金として調教師に入る。この収入から必要経費が賄われる、

厩務員は担当した馬が稼いだ賞金の5%を進上金として得る。

廟内には厩舎が並ぶ 車中よりの撮影である。

      

厩舎

  

調教ゼッケン

競走馬達はトレーニング・センターで調教するときにはそれぞれ決められた色と番号のゼッケンを装着する決まりがある。

  

馬事苑

    

競走馬診察所 (注 画像は間違いかも・・・)

 

通称「馬 診(うましん)」 30名の獣医、他に装蹄師、診療助手、診療事務など約50名のスタッフがいる。ほかに馬専用プールもある。

参考資料≪見学時の説明、栗東トレセンガイド、競馬に辞典、他≫

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