Mar.2012 中山辰夫
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滋賀県の文化財関連情報

Mar.2012 中山辰夫

宝篋印塔

滋賀県内の石造宝篋印塔のデータ資料は、平成4年教育委員会発行の「重要文化財寂照寺宝篋印塔修理工事報告書」からの抜粋である。

市町村名、その他は当時のまま記載されている。 重要文化財 石山寺宝篋印塔

重要文化財 鏡神社宝篋印塔

重要文化財 梵釈寺宝篋印塔

重要文化財 比都佐神社宝篋印塔

重要文化財 正法寺石造宝塔 鎌倉時代(正法4年1315)花崗岩製 東近江市日野町鎌掛

重要文化財 寂照寺宝篋印塔 鎌倉時代末期 花崗岩製 東近江市日野町西大路

その他主要宝篋印塔一覧

  

Feb.2012 中山辰夫 「阿弥陀如来立像の造立」 本稿は、琵琶湖文化館友の会の新春のつどい講習会で、文化館学芸員・井上ひろ美氏が講演された内容・資料をベースにまとめたもの(開催日 24-1-24)

滋賀県甲賀市信楽の高野山真言宗玉柱寺(ぎょっけい)が所蔵していた阿弥陀如来立像が、平成22年(2011)

宗教法人浄土宗に譲渡された。800年前になくなった法然上人ゆかりの阿弥陀仏像である。玉桂寺は、奈良時代の761年に第47代淳仁天皇の姉君である鳥田内親王の御願により創建された古刹。

空海がその跡に一堂を建立したのが開基と伝わる

国重要文化財の指定を受けている阿弥陀如来立像

阿弥陀仏像は、法然上人の弟子・源智上人(平清盛のひ孫 知恩院二世)が、法然上人の一周忌にその恩徳に報いるために造立した像であることが、造像願文 (建暦2年・1212)) から判明した。

源智上人は、法然上人の亡くなった後、法然上人や人々の御恩を知り、その御恩に報いるようにと恩を知る寺、すなわち「知恩寺」と称したとされる。

阿弥陀如来立像発見の経緯

昭和49年(1974)年に文化庁が実施した「文化財集中地区特別総合調査」の際に、調査員により玉桂寺の地蔵堂脇壇に横たわる姿で発見された。

昭和52年(1977)、X線撮影を行い、胎内納入品の確認がなされた。(X線での撮影画像)

昭和53年(1978)滋賀県指定文化財となり、保存修理事業が行われた。

この時に行われた解体・調査で、膨大な文書が胎内納入品として取り出された。

あると知りつつも、実際に納入品を目にした時の感動は言葉に表せないものだったとされる。

胎内全体には、漆金の施しがある非常に珍しいものであった。

宗教法人浄土宗への譲渡。 譲渡にはルールがある。

仏像の移動:滋賀からの旅立ち(遷座式)

琵琶湖文化館

近江の優れた仏教美術を中心とする文化財を収蔵し、展示・公開してきた。

滋賀県は全国的に見ても仏教美術の宝庫であり、白鳳期から今日まで多くの遺品が残されてきた。

とりわけ、平安時代初頭、最澄が比叡山に天台宗延暦寺を開創して以来、空海の開いた真言宗と

相まって日本仏教史の両輪として大きな足跡を残したことから、関連の遺品が伝来している。

これらの近江を代表する作品を「近江の文化財」展として年間を通して紹介、加えて、仏教美術

を体系的に紹介する特別展を実施している。

阿弥陀如来立像と胎内納入品

造像と建暦2年(1212)源智造像願文

造像願文には「建暦二年(1212)十二月二十四日」の銘があり、造像の趣旨が細かに記されている。阿弥陀如来立像概説と台座

像高:98.7cm 檜材 寄木造で来迎印を結ぶ安阿弥様(快慶風の彫刻)の秀作とされる。

頬は丸みをもち、流麗に流れる衣紋線などから鎌倉時代の造像とされる。

昭和53年(1978)滋賀県文化財に指定、昭和56年(1981)国の重要文化財に指定された。

作者

湖北の菅浦にある阿弥陀寺像と類似していることで、行快作(狩野派)と推定されている。

伝来過程

浄土宗からスタートして800年後に元に戻った。胎内納入文書

納入品には、全国の同志に呼びかけ、後白河法皇、後鳥羽上皇、平清盛、源頼朝などを含む

約5万人の姓名が記された結縁交名も納められていた。成仏を願い、亡くなった人の名も含まれる。

平季村等百萬遍人衆、念仏結縁交名

源頼朝等交名

「結縁交名帳(けちえんきょうみょうちょう)」

源智が阿弥陀仏像を造立する際に、結縁した人びとの名簿。

すでに亡くなった人の名も含まれるが、その近縁者が故人の往生を願って署名された交名帳を納めた

もので、源頼朝・頼朝・実朝・平清盛、他の名も読み取れる。署名は東北から九州の人にまで及んでおり、交通手段もない時代に、これだけの署名を集めるには全国に

広がっていた念仏者の協力はもとより、それを束ねるけん引者の存在なくしては出来るものではない。

源智上人だから行い得たとされる由縁である。浄土宗としての意義−膨大な交名の意味するところ

法然と直接関わりのある、高弟の思いが詰まった阿弥陀仏を前に、法然の死後行われた一周忌を想定して

800年法要が行えた浄土宗の感激は大きい。

法然上人の死後、わずか11カ月の間に五万人近くの結縁者を全国から集めたことは、鎌倉初期の専修

念仏を支えた浄土教団のネットワークの広がりが知れる。歴史的意義

鎌倉初期の造像経緯がわかる仏像であること。納入品の詳細な分析で、新事実の出現が期待できる。宗教法人浄土宗では、宗祖法然上人800年大遠忌事業の一つとして、写真印刷(株)に委託し、阿弥陀如来像を

文化財デジタル化すべく、バーチャルリアリテイ−映像として収録された。、

参考資料≪講演会配布資料、玉柱寺阿弥陀如来立像胎内文書調査報告書、他≫


Jan. 2012 中山辰夫

「近江の社寺建築とその景観」

平成22〜23年度滋賀県の文化財講座(打出のコヅチ)が滋賀県教育委員会・県立琵琶湖文化舘の主催で開催されました。

講義の都度、内容の資料が配布されました。講義内容「22年度例」

☆近江の神社建築とその景観

講師:文化財課・課長補佐の池野 保氏

国宝や重文の見学においては、構造物の追求だけでなく、景観即ち社寺の立地・配列・細部・周囲の環境・などについても

観察を深めると興味が倍加するとお話がありました。

中世神社本殿の分布

滋賀県文化財構造物市町村別数一覧表

☆ 滋賀県の太鼓踊りとその復興に向けて

講師:文化財保護課 矢田直樹氏

☆舎利信仰と美術

講師:文化財保護課 古川史隆氏

☆ 木簡が語る近江の歴史

講師:文化財保護課 井上 優氏

☆ 滋賀の民俗文化財の魅力

講師:文化財保護課 矢田直樹氏

☆滋賀県新指定文化財説明

講座「近江の姫たち」 24−1−15

☆ 「江・初・茶々 浅井三姉妹

講師:文化財保護課 北村圭弘氏

実宰院と墓地

☆ 京極氏をめぐる姫たち

講師:文化財保護課 松下 浩氏

龍子「大河ドラマの龍子イメージとは大違いとされる」

京極マリアの位牌(舞鶴市泉源寺智性院)

朽木マグダレナの墓「高島市・興聖寺」

☆ 織田氏をめぐる姫たち

講師:文化財保護課 木戸雅寿氏

さまざまな戦国の女性たち

講師:文化財保護課 畑中英二氏


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