滋賀県多賀町 かぎ楼
Taga Kagirou
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Mar 2010 撮影: 中山辰夫
犬上郡多賀町多賀653
多賀大社の表参道と西参道の角にある目だった建物である。残念ながら内部の撮影は休日のこともあって出来なかった。今も健在である。
登録有形文化財:基準 国土の歴史的景観に寄与しているもの 登録H13.04.24
構造:木造2階一部3階建、瓦葺、建築面積308㎡
建築:明治10年(1877)・大正期増築
「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」とうたわれているように、多賀大社は古くから全国に「多賀講」の信者をもつ、延命と縁結びで有名な大社である。
近江鉄道を高宮で多賀線に乗換えて一つ目の駅、多賀駅から大社の大鳥居をくぐって暫く歩くと、参道「絵馬通り」沿いの多賀名物「糸切餅」を売る店々の間に「かぎ楼」の建物が見えてくる。
特長のある赤い壁に手摺りのついた木造三階建ての古風な建物がそれである。
創業は元禄3年(1689)、料理旅館として300年の歴史を誇っている。
初代鍵屋利兵衛から数えて現在の当主は7代目である。
建物は江戸の末期から明治の初期の建造で、今でも客室に利用できるほど堅固に造られている。
参道に面して二階建、入母屋造の主屋が建ち、後方に三階建寄棟造の客室棟が接続する。3階の北及び東面に擬宝珠風高欄を廻す。
主屋の内部はモダンな和風に改造されたが、客室棟は数奇屋風にまとめられた建築当時の姿をよく残しており、朱色の壁面とともに門前町のランドマークとして親しまれている。
横の道は西参道で、鳥居が建っている。
先々代の当主、小沢吉三郎氏の代には、彦根の楽々園や八景亭の経営も兼ねていた。
三階からは多賀大社の鬱蒼とした森が眼前に広がり、往時の参詣者が霊域を身近に、またどれほど森厳に感じていただろうかと想像できる。
2、3日前から予約すれば、コイのうす造りが名物の懐石料理(4000円)がいただける。
夜間の写真は万灯祭時の様子である。
参考資料《国指定文化財データーベース、他》
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