滋賀県多賀町 河内の風穴
Kawachi Fuketsu, Taga town, Shiga
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Aug. 2013 中山辰夫
滋賀県犬上郡多賀町河内宮前
滋賀県指定天然記念物
環境省指定重要湿地500
■秘境の河内村には西から下村・中村・宮前・山女原(あけんばら)の四集落がある。
宮前には浄土宗安養寺があり、寺伝では神護景雲3年(769)年霊山開基。弘安2年(811)元安大師再興、時宗より転宗とある。
山安原には役行者が大和大峯山に入る以前,霊仙山の権現谷(ごんげん)で修業した伝承がある。一説では、河内風穴、次いで河内山安原、さらに、大峯山へ渡ったという。
■位置図と案内図
■芹川沿いの狭い山道を走る。数戸の集落が現れたところが、河内の風穴である。 近江鉄道多賀駅から約7kmのところである。
途中に安養寺があった。
■応神天皇を祀る八幡神社と山の神の石碑
■風穴の入口までは石段も数十段ある山道を登る。渓流がそばを流れその水音が涼気を呼ぶ。前日降った雨で、木々の緑が映える。
■渓流は「エチガ谷」といい、この水は河内風穴の奥にある地底河川からきており、エチガ谷の途中から流れ出ている。
■■■■風穴
■■鈴鹿山脈北部には石灰岩と呼ばれる岩石が広く分布しており、そうしたエリアは近江カルストと呼ばれている。河内風穴は、近江カルストの一角に点在する鍾乳洞の一つである。
風穴は、約55万年以上前にできた霊仙山山塊カルスト地帯にある石灰洞で北向きの岩壁基部から上部にかけて四つの洞口がある。
洞口から約60mの大広間と呼ばれる洞窟は観光洞として古くから知られており公開されている。
■1987(昭和62)年7月の日本ケイビッグ協会と日本洞窟協会との合同調査により新しい洞口が発見され、大ホールや複雑に延びる支洞、川下りが出来る程の大水流、水深約10mの地底湖などを発見、総延長3323m、高低差88m、洞口の標高265m等の規模であることが分かった。
内部は1544㎡と広く、4層に分かれているとされる。
■■観光洞入口
大きさ約1mの狭い入口からは冷気が吹き上げており気持がいい。洞内温度は一年を通じて12〜13℃であるため、夏は涼しく冬は暖かい。
■■平面図
■■■■洞内
観光洞は広さ60mに20m、天井高20mの長いホールで、その上層にも屋根ホールと呼ばれる洞があり、多層構造になっている。
観光洞から狭い通路を伝わって奥に進むと素晴らしい拡がりを見せるようだ。シアターホール、ドリームホールと呼ばれる中央ホールがあり、さらに奥に石切り場、集水ホールなどの新洞が続き、全体に3分されているようだが勿論入れない。
■■通路を含めた大広間と称されるスポット
■■通称0水流
洞口から少し歩いた所、水の流れる音が聞こえる場所があるのに気づく。奥の地底河川から流れてきた水が、この大広間を通ってエチガ谷へ流れ出ている。その流れの音である。勿論観光洞からは見えない。
≪写真引用≫
■■観光洞広間。 人も小さく見える。
■■
別の洞内へ入る。入り口が小さくて、狭い。内部は大きな岩石に囲まれている。
洞内から見た広間。ここが突き当りである。
■■二階に登るハシゴとその付近
■■登った洞内 通路は天井が低く、動きが鈍る。
■■立ち入り禁止表示。ここから先が未公開の非観光洞エリアである。
この奥からが素晴らしい展開となるようだ。
洞内には30種以上の動物がいるとされる。
■■■■河内風穴の調査と探検
20年ほど前は、僅か300m程とされていたが、毎年行われる調査毎に大洞窟であることが判明し、今後の展開が大いに期待される。
■■直近の調査で、風穴の全長が1万20mあることが確認された。これは日本で3番目に長い鍾乳洞である。
一位は岩手県「安家洞(2万3700m)、2位は鹿児島県の「大山水鏡洞(1万294m)に次いで長い。秋吉洞を抜いたことになる。
調査は、毎年洞窟探検愛好家でつくる「東京スペレオクラブ」(東京都)が軸となって行われ、地元「多賀の自然と文化の館」と協同でハイビジョン撮影も行い、そのDVDが発売されている。
■■新規の洞内
新聞記事などを見ると、立ち入り禁止のゲートの先は迷路状に入り組み、危険な場所が多いとされる。
だがゲートの先には、林立する鍾乳洞、巨大なホール空間、どこまでも青く透明な地底湖、など別世界があるようだ。
二次生成物(鐘乳石)の発達が非常に良好でつらら石、石筍、石柱、カーテン、ストローなど多彩な二次生成物があるとされる。
どこまで延びるかの関心事である。
■■■■新洞内エリア写真
新洞内の写真は『多賀の自然と文化の館』のHPで見ることができる。
が、ここで代表的なスポットを並べる。
写真はすべて≪神秘の鍾乳洞 河内の風穴 写真集 発行 VITZ≫より引用させて頂いた。
■■シアターホール
■■ドリームホール
■■三神殿
■■美和ホール
■■石切り場
■■集水ホールエリア
■■鐘の鳴池
■■森の間
■■地底河川
■■第二水流 地底湖
■■青の水路
非公開の新洞内への興味は尽きない。一説には総延長10kmともいわれる。公開される時期が待たれる。
参考資料≪多賀町史、琵琶湖博物館調査報告書No26,神秘の鍾乳洞 河内の風穴 写真集、多賀の自然と文化の館HP,ほか≫
Aug.2012 大野木康夫 source movie
2012.8.11撮影
河内の風穴は霊仙山の麓、多賀町河内地区にあります。
近年、内部の探査が進み、日本で4番目の規模の鍾乳洞とされています。
有料区域の入口から洞窟までは涼しそうな渓谷をたどります。
洞窟入口は高さ1mと狭いですが、内部から涼風が吹き出しており、大変涼しいです。
公開区域の内部は広くなっており、石筍や石柱は崩壊が進んでほとんど見られません。
奥から垂直の梯子を上れば、公開区域の最奥部です。
非公開区域には青い地底湖などがあるそうですが、入り組んでいて危険なので入ることはできません。
広い洞内の温度は年間を通じて12℃、夏は涼しく冬は暖かい環境になっています。
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