JAPAN GEOGRAPHIC

滋賀県高島市  在原

Arihara,Takashima city,Shiga

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July 17,20185 中山辰夫

在原集落

高島市マキノ町在原

豪雪の中に茅葺の民家が転々と存在している姿、誰もが見たいと願望した。今、その姿は消えつつある。

在原集落は、国道161号線から高島市内、最北の県道白谷・野上線(533線)に入り直進する。冬場の豪雪で有名である。

在原業平に関する伝説が残る。業平の墓があり70cmほどの宝篋印塔が立っている。この塔に水を捧げその水をむるとおできが治るという言い伝えがあったとか。集落の地名にもかかわる。

     

県道を挟んで左右に集落がひろがる

    

マキノ町は高島市の北端に位置し、日本海側から吹き抜けてくる季節風が北西の山稜にぶつかる事や、地形的特質により、冬季は豪雪地帯となる。

豪雪地帯の在原集落では、1985(昭和60) 年に当時、全国でも数少ない茅葺き民家が群集して残る集落として、伝統的建造物群保存地区の保存対策調査が行われた。

しかし、生活様式の変化や維持管理のわずらわしさ等から、保全活動に取り組むまでには至らなかった。

1969(昭和44) 年には48 軒もの茅葺き民家があった在原集落では、その後徐々に現存数を減らし、2013(平成25 )年には11 軒となった。

さらに、同年6月に6 軒の茅葺き民家が焼失する火災が発生し、2014(平成26 )年現在では5 軒を残すのみとなっている。

僅かな時間での撮影のため大まかな内容で終わる。

県道の南側に見た民家

     

県道の左側に見た民家

      

屋根葺替え中の民家 はたして茅葺か瓦か?

         

棟仕様

    

高度経済成長期以降、茅葺き民家は茅材の入手困難、共同労働の消滅、茅葺き職人の減少などにより、全国各地で衰退の一途をたどっている。これに伴い地域の在来技術として維持継承されてきた茅葺きの技術も今まさに失われようとしている。

茅葺き技術は、その土地の自然環境や社会環境に応じて発展してきたものであり、地域によって工法や道具等に違いが現れる。また、このような在来技術は一度失われると、その再現が非常に困難となる。現在、マキノ町には茅葺き職人がいなくなったとされる。

附近に日吉神社がある。

参考資料≪日本建築学会資料、滋賀県の地名、他≫

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