JAPAN GEOGRAPHIC

滋賀県高島市 小川思子淵神社

Shikobuchijinja(Kogawa), Takashima city, Shiga

Category
Rating
Comment
 General
 
 
 Nature
 
 
 Water
 
 Flower
 
 Culture
 
 
 Facility
 
 Food
 



高島市朽木小川566 思子淵神社 本殿 重文 近世以前/神社 室町前期 応安4(1371)頃 一間社流見世棚造、こけら葺

高島市朽木小川566 思子淵神社 蔵王権現社 重文 近世以前/神社 室町前期 応安4(1371) 一間社流見世棚造、こけら葺 板札1枚:応安四年三月一○日

高島市朽木小川566 思子淵神社 熊野社 重文 近世以前/神社 室町前期 応安4(1371)頃 一間社流見世棚造、こけら葺


July 2017 酒井英樹

思子淵神社は、琵琶湖西岸に注ぐ安曇川の支流針畑川流域の山間部に位置する小川集落に所在し、思子淵神を祭神とする。「シコブチ」は河川の湾曲部や急流部を意味し、思子淵神は筏流しによる木材搬出の守護神として崇敬を集めたとされる。

由緒はつまびらかではないが、所蔵の資料から創建は中世以前にさかのぼると考えられる。針畑川に東面する境内の入口に鳥居を建て、西奥の石垣上に本殿などを祀る覆屋が東面にして建てる。

覆屋内には中央に本殿、南端に蔵王権現社、北端に熊野社、それらの間に小社(山の神社、夷社)を配する。本殿、蔵王権現社、熊野社とも1間社流見世棚造、こけら葺で、蔵王権現社は板札より応安4年(1371)の建立と分かり、本殿、熊野社も形式技法などから同時期の建築と見られる。軸部は組物を舟肘木、妻飾を豕叉首とする簡素な構成で、角柱や庇の舟肘木、繁虹梁の大きな面取とともに、身舎の舟肘木を棟木や桁から一材で造りだし、各部材の化粧面を槍鉋仕上げ、野面を蛤刃の釿仕上げやヨシ斫りとする技法などに、中世建築の特徴をよく示している。部材にはクリやスギを用いている。

本殿、蔵王権現社、熊野社の3社は室町時代前期に遡る社殿が一体的に残っているまれな遺構であり、建立年代が明らかな見世棚造形式の最古級の社殿である。中世神社建築の重要な位置を占める建造物として貴重であり重要文化財に指定されている。

<覆屋内部全景>

 北側より

 

 南側より

 

<本殿>

 三棟の中で最も大きく、平面は前後二等分し、後半を1室の身舎、前半の庇部分を一段低い棚とする。

     

<蔵王権現社>

 熊野社とほぼ同規模だが若干規模が小さい。本殿と同様、平面は前後二等分し、後半を1室の身舎、前半の庇部分を一段低い棚とするが、柱位置など異なる。

     

<熊野社>

 棚の通例の形式を示している。後世の修理を受けており庇部の柱の面取りが小さくなっている。

     

<山の神社>

 本殿と蔵王権現社の間にある小社。

  

<夷社>

本殿と熊野社の間にある最小の社。

 


October 31,2014 大野木康夫 source movie

小川は針畑郷の入口の集落で、思子淵神社は集落の南側に鎮座しています。

「しこぶち」はいろいろな漢字を充てますが、安曇川流域で古くから信仰されている筏乗りの神様で、林業が盛んな朽木周辺に点在しています。

中でも久多(志古淵)、朽木小川(思子淵)、葛川坂下(思子渕)、葛川坊村(信興淵)、葛川梅ノ木(志子渕)、朽木岩瀬(志子淵)、安曇川中野(思子淵)の七座を七シコブチと呼びます。

小川思子淵神社の本殿他三棟は、室町前期の建築で、滋賀県指定有形文化財です。

         

All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中