島根県出雲市 大社駅
Taisha station, Izumo city, Shimane
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所在地 島根県出雲市大社町大字北荒木441-3
国指定重要文化財
大正13(1924)年の建築
木造、建築面積441.23平方メートル、1階建、桟瓦葺、正面車寄及び背面見張所付、背面改札柵附属
旧大社駅本屋は、大社町の南部、出雲大社境域から約一・六キロメートル南に位置する。
山陰本線の出雲地方までの延伸にともない、本線出雲今市駅より大社町を結ぶ大社線が明治四五年(一九一二)六月一日に開通した。その後、平成二年三月三一日の大社線廃止に至る七八年間、大社駅は出雲大社参詣の表玄関として、また地域の産業、経済の基盤として機能し続けてきた。
大社駅は、大正期に入ると山陰線の延長、瀬戸内側と結ぶ山口線との接続によって乗降客が大幅に増加し、それにともない、ここを起点とする列車増発もあって、駅施設の増改築が計画された。現存する旧大社駅本屋は、手狭となった明治四五年開業当時の建物を、建築面積で約二倍にして建て替えたものである。建設当時大社駅で編集発行していた「大社駅報」によると、大正一二年九月末に起工、同一二月八日上棟、翌一三年二月一三日に竣工した。附指定の棟札より、工事は鉄道省神戸鉄道局米子保線事務所によって行われ、本屋の設計は丹羽三雄、監督官は川久保嘉市、現場監督荒川稲美であった。
旧大社駅本屋は、面積四四一・二三平方メートル、木造、平屋建で、西面して建つ。正面中央に車寄を突出した中央棟を中心に、両翼を延ばした南北に細長い左右対称の構成とする。屋根は、中央棟を一段高い切妻造、両翼の南北側面及び短く突出させた両端部正面側を入母屋造、車寄は妻面を正面に見せた切妻造とし、中央棟正背面及び両翼背面に千鳥破風を設ける。正面の下屋を含め全体を桟瓦葺とし、中央棟及び両翼の大棟には鴟尾を置く。
内部は、中央に三等待合室、左(南)翼端部正面側に一・二等待合室、その裏手ホーム側に手小荷物扱室、荷物保管室を配し、右(北)翼端部は大半を事務室とし、正面側に皇族等の貴賓室としても使用された応接室を備える。三等待合室のプラットホーム寄中央には、四角形の両隅を落とした平面の出札室を設け、その両脇に改札口を開く。事務室は当初右(北)翼端突出部のみだったが、のちに三等待合室側に約二・七メートル拡張されている。これにともない北側の改札口は縮小されたが、南側の改札口は当初のまま残っている。
軸部は、柱を腰長押、内法長押で固め、側廻りでは柱上に舟肘木を載せ桁を受けるが、車寄の柱上は大斗肘木とし、正面桁上に独特の形式の蟇股を置く。軒は一軒疎垂木で、小屋組はキングポストトラスである。
内外ともに壁は漆喰仕上げ(木摺下地)真壁で腰部を縦板張とし、天井は、一室の大空間である三等待合室は、中央部の高い位置に折上格天井を張り、貴賓室、一・二等待合室及び三等待合室両端部は格天井、その他の部屋は合板張とする。出札室は柱上に舟肘木を置き、頂部に高欄を廻し、装飾的な扱いとし、五か所の窓口は小屋根を付けて厨子風につくる。
旧大社駅本屋は、出雲大社参詣の表玄関として和風の意匠でまとめられた特徴ある鉄道駅舎である。変化に富んだ屋根を戴き、軸部と漆喰壁や窓が織りなす対比で、左右対称の厳格な構成の中にも華やかな外観を構成し、優れた意匠の木造和風鉄道駅舎として我が国を代表する建築である。廃線後も旧地にほぼ建築当初の姿のまま良好に保存され、我が国鉄道興隆期の地方駅舎の姿をよくとどめる例としても貴重である。
(国指定文化財等データベースより)
Oct.2008 撮影:高橋久美子
Oct.2008 撮影/文:高橋久美子
一畑電車 出雲大社前駅
Ichibata rail Izumotaishamae station
昭和5年(1930)竣工。
昔は「大社神門駅」と称していた。
かまぼこ形の屋根を持つ、個性的なデザインの駅舎です。
この瓦はどうやって葺いているのだろう?貼り付けだろうか?
内部はステンドグラスといい、照明といい。アールデコ風なデザインです。
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