島根県安来市 荒島古墳群
Arashima kofungun,Yasugi city, Shimane
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荒島古墳群
史跡
荒島古墳群は島根県東端の安来市に所在し、中海に面する荒島丘陵上に位置する。既指定の造山古墳(1号墳)は古墳時代前期の大型方墳であるが、荒島丘陵には、これ以外にも弥生時代後期から古墳時代にかけての墳墓や古墳が集中するため、これらを追加指定し「荒島古墳群」と名称を変更しようとするものである。
荒島古墳群として指定しようとするのは、単独で所在する大成古墳、造山支群4基、塩津山支群8基である。大成古墳は明治44年に開墾中に発見され、竪穴式石室から三角縁神獣鏡や素環頭大刀ほかが出土し、前期の大型方墳として著名である。その西側の造山支群は、既指定の1号墳のほか、同様の大型方墳である3号墳等計4基からなる。また東側の塩津山支群は、弥生時代後期の大型の四隅突出型墳丘墓である6号・10号墓、四隅墓の名残をとどめた古墳時代前期の方墳である1号墳等からなる。
荒島古墳群の内容は以下の5点で重要である。
まず第1に、四隅突出型墳丘墓は、島根県や鳥取県を中心に分布する弥生時代の地域色豊かな墳墓であるが、塩津山6号・10号墓はこの種の墓制のなかで最大級の規模をもつこと。第2に、大成古墳や造山1号墳は、古墳時代前期の方墳として全国で最大の規模であること。第3に、弥生時代の四隅突出型墳丘墓から古墳時代前期の方墳への変遷が追えること。第4に、弥生時代後期から古墳時代前期において、安来地域が出雲で最も優位な地位を安定して占めていたことを示すこと。第5に、古墳時代に入って、前方後円墳を頂点とする墓制が波及するなかで、弥生時代の墳丘墓の伝統を承けて方墳や前方後方墳の築造を続ける出雲の地域性を特徴づけるものであること。
以上のように、荒島古墳群は出雲地域の歴史においてきわめて重要であるとともに、前方後円墳を頂点とする古墳時代の墓制を考えるうえでも意味あるものであることから、必要な地域を史跡に追加指定するとともに名称を変更し、保存の万全を図ろうとするものである。(文化財データベース)
造山古墳
大成古墳
史跡
塩津山墳墓群
塩津神社古墳
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