静岡県伊豆市/河津町 天城峠
Amagi pass,Izu City/Kawazu Town,Shizuoka
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July 2017 酒井英樹
天城山隧道
静岡県加茂郡河津町
静岡県伊豆市
天城山隧道は伊豆半島のほぼ中央部にあたる天城峠付近の標高710m地点に設けられた石造トンネル。
三島と下田を結び伊豆半島を縦断する下田街道(現一般国道414号)の改良工事の一環として明治33年(1900)に起工、同37年(1904)に竣工した。
その後交通量の増加に伴い、昭和42年から45年(1967-1970)にかけて西側に新天城トンネルが建設された後も存続し、現在は交通機能を維持しつつ主に観光用として活用されている。
全長445.5m、幅員幅約4.1mの規模を有し、両端に石造坑口を設け構造躯体には安山岩を用いる。坑口は江戸切石材で馬蹄型に築かれ、高さ約2.1mの側壁部、供環厚約0.8mの要石と供環厚約0.6mの供石22個からなる半径2.3mの半円アーチが立ち上がる。要石は河津町側が彫出仕上げ、伊豆市側でが込仕上げとして両端で変化を付けている。
坑門の壁面は高さ約6.8m、幅12.1mにわたりブラフ積で築き、高さ5.1mの地点に帯石、最上部に笠石を配する。各坑門の翼壁が2基ずつ取り付く。
隧道内部の覆工は総切石積で築かれている。 石材の大きさは約0.3m×0.6mでアーチ部の表面は平滑に仕上げている。内部の路面舗装は現在はコンクリート舗装に改良され、照明も昭和61年(1986)に設置されている。
一部の表面で剥落した覆工石材がコンクリートによって補修されているが、坑門を含めて全体的に保存状態は良く、我が国の石造隧道では最長の延長を有し、両坑門などに施された多彩な石材加工技術が見られ明治期を代表する土木構造物として貴重で重要文化財に指定されている。
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