「ドージ算盤」
名古屋市西区にある円頓寺商店街で見つけた看板です。
算盤の製造会社では、雲州マルホ算盤 トモエ算盤、播州算盤などがありますが、ドージ算盤は聞いたことがありません。
絵がついているのが笛を吹いているので、笛吹き童子のドージでしょうか?
笛吹き童子とは『新諸国物語 笛吹童子』のことで、初めてメディアに載ったのは、1953年1月5日〜12月31日、NHKラジオ放送だそうですので、これ以後の看板かな、と想像しました。
いづれにしても、看板として人を立ち止まらせる効果は十分あるドージ算盤でした。
ちなみに<算盤>と定着した言葉ですが、年代別に見ると実に多くの言葉が当てはめられてきました。
以下、<国士舘大学名誉教授・珠算史研究学会名誉会長鈴木久男先生の研究>から引用させていただきますと、
1500年代……Jina、所六盤、そろばん。
1600年代……算馬、十露盤、算番、三羅盤、算盤、曾呂盤、数量盤、そろ盤、十路盤、将轤盤、数轤盤。
1700年代……三露盤、揃盤、定盤、算轤盤、双盤、雙露盤、珠盤、十六露盤、算露盤、珠算、ろくろ、天露盤、算顆盤、走盤、
1800年代……十呂盤、顆盤、総路萬、算珠盤、珠子盤、十六盤、球珠盤、数盤、課盤、打算盤、斗籌楚路盤、握算、疎呂盤、霜露盤、玉算、玉露盤、算盆、王果算、算術、算数、僧侶盤、定算盤。
1900年代……珠算、算呂盤、十郎盤、承露盤、数板、素呂盤、素露盤、
と、たくさんあり、電卓ができるまで日本の経済を支えていた歴史がうかがわれます。
今に残っている言葉では、珠算、算数などがあります。
1800年代に使われた<打算盤>などは、そのまま残して、今の政治家さんにあげたいくらい。
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