「センヂ」
所在地:岐阜県高山市
昭和館というところを訪ねたときに下がっていた看板。物の値段が今より10分の一。すごい、と看板に見入りました。氷に掛けるものの大体の意味は解りますが、「センヂ」が不明。調べてみたら愛知県、岐阜県、三重県における方言の一種で現在でも通用しているとのこと。関東で言えば「スイ」のようなものでしょうか。4/8のお釈迦様の日にお寺を訪ねますと甘茶を飲ませていただけますが、あれは甘茶ヅルが煎じられて甘い汁が作られているそうで、氷に掛ける「センヂ」も当初は甘茶ヅルの煎じたものであったそうです。日本は単一民族にほぼ近いのに、縦に長い列島には方言の数々があっておもしろいと思います。極端に言えばまるで外国に来たような気持ちになる時もあります。名古屋に嫁に行った友人が嫁ぎ先の義母に「米をカシテリヤァ」と言われて、隣の家にすんでのところでお米を借りに行きそうになった、という笑い話があります。「カシテ」は「米を磨ぐ」ということです。私も愛知県出身ですが名古屋弁はおもしろいです。ちょっと例を。
ドベ……別に誰かの愛称ではなく「びり」のことです。
ちんちん……そのう、あのう、想像されているものではなく「熱熱」のこと。やかんがチンチン湧いていると使います。
もうやーこ……どこで区切っていよいのかわからない言葉ですが、「共同」というような意味。
やっとかめ……八日ぶり!みたいな感じでしょうか「久しぶり!」のことです。
かんこうしとく……旅行ではなくて「考えておく」ということです。
おみゃあさん……迷宮いり事件を解決するTVドラマのお宮さんではなく「貴方」ということです。
名古屋の義姉に「珈琲にフレッシュさんいれやあす?」と訊かれました。きょとんとしていたら持ってこられたのは市販の生ミルクの小さいカップ。「東京はフレッシュさんって言わないの?名古屋は喫茶店でもフレッシュさん要りますか?って言われるわよ」と。「またぁ、……」と思いながらも、生ミルクの入った小さなカップの小さな文字を読んだら、確かにフレッシュと書いてありました。けれども……東京人になってしまった私はやはり「ミルク」の方がいいな、と思いました。ちなみにカキ氷の日は7月25日です。私のカキ氷は練乳+アズキが定番です。現在は500円からひどい時は700円もします。看板の値段が嘘のようです。
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