「安中宿原市高札場跡」
所在地:群馬県安中市原市
すでに存在しない「文部省」を名乗る看板です。
字体も旧字体ばかりかと思うとそうでもなくて、説明の「説」や「処」、火気の「気」は常用漢字ではなく旧字体です。
1949(昭和24)年に内閣告示された『当用漢字字体表』に基づいてこれまで使われてきた画数の多い漢字が略字や俗字に変更されていますが、1981年制定の『常用漢字表』(2010年改定)は主として印刷文字の面から検討され明朝体活字の一種を用いて字体例を示し、これを「通用字体」と呼んでいます。
しかし、通用字体は(狭義の)新字体をすべて踏襲し、1981年と2010年に追加された字種のうち、新字体に準ずるものが採用されて、さらに、1981年には、当用漢字では『燈』だった字体を簡略化し、『灯』を通用字体にした……そうです。
(参考:Wikipedia)
しかし旧字体を使ってはいけない、とはされていないので、人名や地名は旧字体のまま今でも多く残り、私たち日本人はいいのですが日本語を学ぶ外国の方は大変なようです。
そういえば糸は昔は糸の字が2本並んだのが糸だったし、虫などは虫を3つ積み上げて虫と読んでいたし、芸などは文藝春秋さんの社名にある「藝」という難しい字。書くには面倒かもしれないけれども、ちゃんとした「藝」の字には執拗の執が入っていたのでしつこく積み上げなければ物にならないのが藝のように納得できた。旧字体のいいところはいっぱい有ったのになぁ、と看板の前で思いました。
この看板のもう一つの面白さはお上目線だなぁ、と思えるところ。
「説明」と書かれているのも面白いです。はいはい、大体このような木の看板は説明ですよね。平凡な平民には敷居の高い看板なのでした。
都会の人ってマナーが悪い人が結構います。『優良でない』看板作って貼っておきたい気分……。
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