Japan Geographic

看板考 柚原君子


 

「チッソリンサンカリ♪」 


所在地:岐阜県中津川市


小学生の頃に理科で習った『チッソリンサンカリ』は植物の育成に欠かせない三大肥料です。
チッソは別名『葉肥え』とも言われ、植物の下葉が枯れてきたらチッソ不足。逆にチッソを過剰に与えると実がならずに枝が伸びるだけ伸び、葉だけがワサワサ茂ります。

リンサンは別名『実肥』。不足すると葉が赤茶色になり結実の大きさは望めません。

カリはカリュームの略で別名は『根肥え』です。根の発育にしっかりと働きます。根をきちんと張った植物は寒さや病気にも強くなりますから育ちには欠かすことができません。

現在はこれらが混ざった総合肥料を売っていますので、下肥や追肥として施します、ベランダ菜園くらいであれば、土の管理さえしっかりしておけば作物はそこそこ育ちます。

我が家のベランダは今年はサヤエンドウ、小松菜、水菜、大葉、パセリで総合肥料をの追肥などでまあまあ育っています(都会でも虫がいるので、出たばかりの小松菜の芽はほとんど虫さんに(-_-;))。

さて、当該看板は岐阜県中津川市の中山道沿いにありました。住友化成の肥料の一覧表みたいな看板。うめやさくらという平仮名は梅の木や桜の木専門の肥料ということでしょうか。硫安(りゅうあん)は硫酸アンモニウムでチッソ系の肥料。尿素肥料も窒素のことのようです。リンサンカリってこんな字を書くのかしらと見入りました。

『住友化成』は今から108年前の大正初期に愛媛県で創業されています。創業から10年後に『住友肥料製造所』として独立。昭和に入って『住友化学工業』。戦後になっては『日新化学工業』、その後の平成16年に『住友化学』にという推移です。

昭和45年頃からバイオテクノロジ-の言葉が出てきて、近年では遺伝子組み換えやクローン技術も模索されています。地球上に生きる多くの命を救ったり守ったりするには必要であるかもしれませんが、時代は何処まで行くのだろうかと思ったりもします。
チッソリンサンカリ♪♪
お題目のように覚えているこの言葉。今の小学生も言っているのかなぁ、それともバイオがさぁ、なんて言っているのかな?

 


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