「コロナ禍の飲食店看板」
所在地:東京都板橋区
オリンピックが無観客で開催されると決定された日。この国はどうかしている、と思った。子どもたちは修学旅行にもいっていないし、学芸会も文化祭も保護者は各家一人と決められ、授業参観は当面禁止で運動会など学年ごとにコソコソと行われている。それなのに、オリンピック観戦に連れ出そうとしている気配もあった(教育委員会より中止のメールは来たが)。
未知のウィルスに対して無傷で乗り越えていくのは至難の技であることは庶民は解っている。政府に100%完璧に日本国民をコロナの外に誘導して欲しいとは、また出来るとは誰も思っていない。
けれど、多少の間違いや回り道をしてでも国民の健康を守るのが国のリーダーたちの役目で、想像力・予想力・包容力があればオリンピック開催に舵を切ったりはしない。
オリンピックに巨額の税金を投入して、「安心・安全」という嘘を言い、無観客だけれども沿道を人の山にして、選手村から出ては行けない条件での入国も市中に選手たちが徘徊してお咎め無し。別に選手全員がコロナ患者ではないし、スポーツに頑張ってオリンピック代表選手になることは並々ならぬ努力があった事はわかる。オリンピックをめざして来た人々が活躍の場が消えればかわいそうと言うのもわかる。
けれども市井にだって何かをめざして自力で頑張ってきているのにコロナ禍でつぶれた人生や店もあるはず。夢や希望に向かっていく努力においては双方の何処が違うのかと思ってしまう。
庶民が他県に出ないように自粛を厳命されているときに、他県を跨いで大勢をつれて広島に行ったIOC関連の人々。テレビニュースを前に小学生の孫にどう説明していいのか、言葉に詰まった。それなのに原爆投下の日時にオリンピック会場のいづれにも黙祷はなかった。
とにもかくにもオリンピックは終わった。
オリンピック賛成反対、ワクチン接種するしない、信条の違いで波風が立ちそうな気配もある場では、明言を避ける日々でもあった。
当該看板は5月の時点だが休業日時がマジックで消して延長してある。もちろん8月現在もお店は閉まったまま。オリンピックに使うお金があんなにあったら、お店の休店手当や、軽症でも入れる病院のベッド確保に回してくれたら良いのにと、お店の前を通るたびに思う
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