栃木県那須町 二期倶楽部
Nikiclub,Nasu town,tochigi
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Aug.2009 柴田由紀江
Sep.2009 撮影/文 柴田由紀江
追記)2017年8月末に営業終了、2019年秋より星野リゾートの経営でリゾナーレ那須の名称で営業再開されています。
二期倶楽部
栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
1986年竣工
設計者:メインビル(本館)…渡辺明
パビリオン(東館)…コンラン&パートナーズ
或る夏の日、友人の誕生日を祝うために予約したレストラン。
打ち合わせなどで幾度か出掛けていましたが、カメラを持参して周囲を散策するのは初めてでした。
此処は那須高原の隠れ家的な場所にある、元会員制の高級リゾートホテル。接客マナーは完璧で、実に居心地の良い空間です。
林に囲まれたメゾネットタイプの客室が並ぶ東館は、周囲の樹木の高さから突き出ることなく調和し、シンプルでありながら贅沢な空間でした。
サー・テレンス・コンランは、ロンドンを拠点にインテリアから都市計画まで、空間プロデュースを手掛けるデザイナーで、日本でも六本木ヒルズのクラブやレジデンスに携わっていますが、ホテルをデザインしたのはこの二期倶楽部東館が初めてだそうです。
朝陽も夕焼けも星空も堪能出来る客室は、四季毎に滞在してみたくなる別荘のような快適さです。
そして広大な敷地内には露天風呂やテニスコートはもちろん、自然散策が出来る下草の刈られた散歩コースが造られており、川が流れ静かな池もあり、野鳥の声も楽しめて昆虫にも出逢えます。
5年の歳月をかけて土づくりをしたという自家菜園キッチンガーデンからは、大切に育て上げた無農菜の有機野菜がホテル内の各レストランへ毎日運ばれます。
さらに林を歩くと、養蜂もされていて、椎茸の原木も並んでいました。美味しくて安全な食材が生まれる場所をじっくり見て回り、季節の花々を楽しみました。
撮影をしていたらホテルのスタッフさんに「どうぞお召し上がり下さい」と言われ、実ったブルーベリーを樹から摘まんで頂きました。甘くて美味しかったです。
そして、いよいよ本館へ。
渡辺
明氏が、東京建築賞最優秀賞や新日本建築家協会新人賞をはじめ、数え切れないほどの建築賞を受賞した二期倶楽部本館は、大谷石を愛する私にとって憧れの建物でした。
ライトの大谷石の使い方とは全く違い、装飾は殆ど施されていませんが、ひたすら連続する石の積み上げと、目地の部分を漆喰で馬乗り型に盛り上げる技法が実に印象的でした。
大谷石の表面仕上げも、細かなチェーン引きが垂直だったり斜めだったり場所に合わせて意匠がこらされています。
石と木材との調和も美しく、家具や建具のナチュラルなブラウンが暖かく寛げる雰囲気を作り出していました。
自宅から車で50分、宿泊するには躊躇する距離(とお値段)ですが、いつか連泊して自然と戯れる贅沢な時間を過ごしたいと思います。