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東京都文京区 伝通院

Denzuin,Bunkyo,Tokyo

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Nov.12,2025 柚原君子


無量山 伝通院 寿経寺(むりょうざんでんづういんじゅきょうじ)
所在地;東京都文京区小石川3-14-6


浄土宗。本尊は平安時代の僧・源信(恵心僧都)作とされる阿弥陀如来像。徳川将軍家の菩提寺で江戸三十三観音札所の第十二番札所でもある。増上寺・上野の寛永寺と並んで江戸の三霊山と称されている。創建は室町時代の1415(応永22)年。当時は小石川極楽水(現在の小石川4丁目15番)の小さな草庵で、無量山寿経寺という名前で開創された。
広大な墓地に徳川家の代々の多数のお墓があり見どころが多い。特に目立つのは伝通院の名称に由来する徳川家康の生母である於大の方。
於大の方は1602(慶長7)年京都伏見城で死去し、家康は母の遺骸を遺言通りに江戸へ運び、大塚町の智香寺(智光寺)で火葬したのち伝通院に埋葬した。彼女の法名「傳通院殿蓉誉光岳智香大禅定尼」にちなんで院号を伝通院としている。伝通院は江戸幕府から寺領約600石(1623年に830石に加増)を与えられて増上寺に次ぐ徳川将軍家の菩提所次席となった。徳川家で幼くして亡くなった男児の墓も多い。
また慶長1613年には檀林(仏教学問所)として多いときには1000人もの学僧が修行していたといわれている。1647(正保4)年に三代将軍家光の次男亀松が葬られてからは、さらに幕府の加護を受けて伽藍などが増築された。当時は高台の風光明媚な地であったため、富士山・江戸湾・江戸川なども眺望できたそうだ。
明治に入り江戸幕府は終了したのでその庇護は失われ、当時の廃仏毀釈運動(仏教排斥運動)のために塔頭・別院の多くが独立して規模が小さくなった。1890(明治23)年に境内に移した浄土宗の学校をもとに淑徳女学校(現在の小石川淑徳学園中学校・高等学校)が創立される。明治以後には墓地が一般に開放されるようになった。
永井荷風は明治12年に伝通院の近くで生まれ、明治26年までこの地で育つ。
夏目漱石は若い頃にこの近くに下宿しており、小説『こゝろ』で伝通院に言及。幸田露伴一家は大正13年に伝通院の近くに転居して、現在も子孫が住んでいる。
「伝通院」を描いた文学作品には菊池寛『若杉裁判長』『納豆合戦』。佐々木味津三『右門捕物帖・首つり五人男』。徳田秋声『新世帯』、『黴』、『足迹』。岡本綺堂『有喜世新聞の話』。宮本百合子『一本の花』。中里介山『中里介山 大菩薩峠・禹門三級の巻』、『大菩薩峠・白骨の巻』。夏目漱石『琴のそら音』、『趣味の遺伝』、『こころ』、『それから』。夢野久作『街頭から見た新東京の裏面』。二葉亭四迷『平凡』などがある。
1945年(昭和20年)5月25日のアメリカ軍による空襲で小石川一帯は焼け野原となり、伝通院も江戸時代から残っていた山門や当時の本堂などが墓を除いてすべて焼失し、かつての将軍家の菩提所としての面影は完全に消えた。1949(昭和24)年本堂を再建。現在の本堂は1988(昭和63)年で戦後2度目に再建されたこととなる。当時の面影はなく完全に鉄筋コンクリート造りで、徳川家の紋章である三つ葉の葵だけが残るが、そのほかに歴史を感じられる部分はない。山門もまた2012(平成24)年に木造で再建されている。
山門を入って左にある指塚は、敷地の隣に浪越徳治郎が創立した日本唯一の指圧の専門学校日本指圧専門学校がある縁から。で、寺の境内には浪越が寄贈した指塚がある。本堂奥の墓地は徳川家の歴史が感じられる墓碑が続き散策に訪れる人も多い。
ちなみに墓地の奥には巨大な銀杏の木があっていっぱい落ちていて拾う人はいない。私は時期になると簡易椅子とポリ袋とゴム手袋を持参して、午後の日を浴びながら銀杏を拾い、皮むき作業をする。もちろん、皮は持って帰って自分の家のゴミに出す(基本的マナーは守る)。
そして、洗ってから2,3日日干ししてそのあとは車庫の奥の暗い所にざるに入れたまま日陰干しを少し。そのあとは、食べたい分だけトンカチでコン!と傷を入れてから、封筒に入れてチーンをしていただく。季節のものを頂くと病気をしないという。
ちなみにをもうひとつ。
茶碗蒸しに銀杏は江戸時代からの風習だそう。銀杏の木は神社にあることが多い理由は、銀杏の木は水分が多く火事の類焼を防ぐ意味もあるから。東京都の街路樹が銀杏なのもその理由。神社にあるありがたい木のその実はたくさんの実をつけることから、子宝子授けの縁起の良い意味もあるので茶碗蒸しに、加えて彩も良しと。ということで撮影のみならず銀杏確保でも楽しめる伝通院である。 

                                                                                                                 

 

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