東京都江戸川区 中川
Nakagawa,,Edogawaku,Tokyo
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Mar.11,2022 柚原君子
旧中川の渡し場と水道橋
所在地:江東区亀戸と江戸川区平井の境
台東区と墨田区の間を流れる隅田川から、墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区の方向に隅田川(大川)→旧中川→荒川→綾瀬川→中川→新中川→江戸川の順に東京湾に注ぐ川筋が7本あります。
中川は埼玉県羽生市に源を発し、大落古利根川、新方川、元荒川、大場川など多くの河川を集めて南下し、東京都葛飾区高砂で新中川を分派します。さらに、中川七曲りと呼ばれる蛇行区間を経て葛飾区上平井で綾瀬川と合流、その後、荒川と平行して流れ、江戸川区で東京湾に注ぐ流路延長約81km、流域面積約811km2の一級河川です。(国土交通省水管理抜粋)。
中川の名称は大川と呼ばれている隅田川と利根川と呼ばれていた旧江戸川のその中間を流れる意味で中川と命名されています。旧中川はかつては中川の本流でしたが、荒川方面が開墾されて分断されて取残された川です。さらに「旧中川」は昭和初期に荒川放水路、中川放水路が完成して中川が二つに分断されたことにより、下流を「旧中川」と呼ぶようになった経緯があります。
桜の時期。平井駅を下車して旧中川の「中平井橋」から「ふれあい橋」間の川縁桜並木を歩いてみました。
中平井橋の袂に渡しの跡碑があります。江戸時代には川に橋を架けることは技術的にも木橋で流されることも多く、他国からの侵入を防ぐにも都合がよかったことから川には渡しが多く、中川にも広重の絵にもある「平井の渡し」、「逆井の渡し」、「番所の渡し」などがあり、その他にも小さい渡し場が数カ所ありこの「中平井渡し跡」もそのひとつです。行徳方面の塩や野菜を江戸に運ぶ道でもあり、行徳側からは浅草寺への参拝の路でもあります。また江戸庶民にとっては平井聖天様(燈明寺)詣でや遠く成田山詣でへの渡し場でもあったようです。
水道橋(すいどうきょう……水道を横断させるために道や川にかける、通水構造をもった橋)も通っています。
きれいな蛇行を繰り返して流れている旧中川の水辺には、二本の羽がきれいに頭の後ろから伸びる冠羽を持つコサギや川鵜、亀や鴎や鴨なども多く、春先に子鴨の子育てなどもみられます。鳥が憩うだけではなくレガッタなどの練習船も行き交います。
平成6年に新設された「ふれあい橋」のブルーもきれいです。旧中川を歩くとずっと付いてくるスカイツリーも橋と絡めるとさらによい絵になります。桜は満開で、人々の撮影会もいろいろで、空を仰げば昼間の月も。桜満開の旧中川遊歩道はきれいそのものでした。
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