JAPAN GEOGRAPHIC

東京都板橋区 各地

 General,Itabashiku ,Itabashiku,Tokyo

 
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Aug.2022 柚原君子

見次公園

都営三田線「志村三丁目」・「志村坂上」などの駅は志村城があったところで、東京都北部を本領とする豊島氏(豊島区の命名由来)の一族の志村氏が築城しています。本丸は現在の板橋区立志村小学校の辺り。二の丸跡には熊野神社があります(勧請は1402年……長久三年)。
現在は暗渠化されていますが、近辺には荒川支流の出井川が流れていて、近辺の地名も「泉」「清水」「蓮沼」など湧き水が想像できる地名が残っています。二の丸跡にできた熊野神社より一つ信号を下ると見次公園の池があります。14000㎡の池ではボート遊びや釣りなどができます。池は出井川の支流の沢筋で湧き水で出来たとされていますが、古い地図には載っていないので、いつ頃からあったのかは不明とのこと。
「見次」という池の名称由来は、志村城に藤田五郎なる人物がいて、その家臣である見次権兵衛が戦いで息子を亡くし、その菩提を弔うために屋敷を「延命寺」という寺院にしたところからといわれています。寺は池のやや北方にありますので、その頃はもしかしたら湧き水のある小さな「見次の寺の近くの池」であったのかもしれません。

訪れた2022年6月には二組の親子鴨がいて、それぞれの子どもたちを引き連れて泳いでいました。池に柵はありますが、池の周囲の石には降りることが出来て、子鴨たちのかわいい仕草を近くで見ることが出来ます。月曜日は釣り禁止日となっているので釣り人もパラソルもなく、きれいな公園の全景を見渡すことができます。ちなみに池の右側は見次坂で江戸時代の地図にも載っています。20メートルくらいの高低差があるのでかなり急な坂道の印象ですが登っていくと中山道に出て、「志村一里塚」を見ることができます。

                                                                                                        

 

ムクドリ

直径1センチほどのムクノキの実を好んで食べることから椋鳥(ムクドリ)と呼ばれるのですが、雑食性で木になる柿などの果物や、地面を歩いて虫の幼虫などを探す姿も見られる鳥です。
繁殖期は夫婦仲良く木の洞や建物の隙間などに巣を作り子育てをしますが、その時期を過ぎると集まって群れとなり、ねぐらを形成します。時には数万羽と集まって鳴くので都会ではうるさい群れの鳥と言われています。
大きさは25センチくらい。目の周囲からくちばし頬にかけて不規則な白斑が特徴で、個体によって白斑分布模様が多少違います。くちばしと足は黄色。雄の方が頭部が黒く雌は茶色ぽいです。都会ではうるさがられる鳥ですが、農耕地では虫を食べてくれるので有難い鳥でもあります。
熟した柿の実を美味しそうに食べていました。

 

          

 

アゲハチョウ

Swallowtail Butterfly

都会でよく見られる(アゲハ・ナミアゲハ)。
交尾のあとに黒ごまの様な形の産卵をします。やがて孵化して黒の縞模様のイモムシ状態になり幼虫と呼ばれます。4回の脱皮をして終齢幼虫というアオムシになります。柑橘系に産み付けられているので、その葉っぱを食べて成長します。食欲は旺盛で植木ですと丸坊主になることがあります。幼虫時代は見せかけの大きな目(実際の目は下方の口のあたりにある)で、愛くるしい顔立ちで、木を移動していく姿はかわいいものです。このあと蛹(サナギ)になるのですが、体内の不純物をすべて出してからサナギになるので木の枝にたくさんの糞があったら、サナギにどこかでなっている可能性大です。蛹の色は茶褐色と緑色と二種類で保護色になっているようです。

不純物を出しきった幼虫は蛹(サナギ)となり、あまたの後ろ当たりから糸を出して自分をしっかり支え羽化を待ちます。蛹になる時は好みの場所というか天敵からの危険を回避するためか、木から離れて雨樋や植木鉢の裏側や網戸の下の方に蛹としてぶら下がります。今回はちょうど木の枝につかまってくれたので羽化を正面から撮ることができました。蛹になってぶら下がってから10日から14日で羽化。

黒いごま粒から黒い縞模様のイモムシ君までが2~3週間くらい。
愛らしいアオムシ君時代は2~3週間くらい。
どこかにぶら下がる蛹の時代は10日~2週間くらい(ただし、越冬するアゲハもいるのでその場合は5ヶ月くらい)
羽化して成虫になってのアゲハの寿命は2ヶ月くらいで、交尾産卵は1回のみで寿命を迎えます。我が家のベランダの夏みかんの木に夏の間に何回か卵が産み付けられますが、いずれも別の個体です。
黒ごまのような卵が産み付けられた後にアゲハがヒラヒラと飛んできますが、2週間の命の間に子どもたちがどうなっているか様子をみにきているのかな、と思っています。2週間……あまりにも切ない命。

                                                                        

 

 

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