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東京都板橋区 熊野神社

Kumanojinja,Itabashiku,Tokyo

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 Apr5.2,2022  柚原君子

板橋区熊野町

全国の交差点で事故の多いワーストワンになっているのが「板橋区熊野町交差点」です。川越街道と山手通りが交差して上部は首都高が通っています。排気量も多く都内でも排気ガスでとても汚れている交差点としても有名です。

その交差点の脇、山手通りに面して鎮座しているのが熊野神社。周辺の地名由来にもなっています。それほど大きな神社ではありませんが、歴史はかなり古いです。

境内の掲示によると御祭神は、伊佐奈美命・速玉之男命・事解之男命。社伝による創建は応永年間(1394-1428)に豊島郡中丸村に移住して来た宇多天皇の子孫にあたる庭田氏兼(後に岩田と改姓)が、一族の氏神として熊野権現を勧請した際で、家康が江戸城に入る3年前の1587(天正15)年に氏兼五代目の子孫忠経が、現在の熊野町(旧中丸村)に遷したそうです(天正年間の検地帳に記載されている)。また1830(文政13)年の『新編武蔵風土記稿』には、中丸村の熊野社は村の鎮守なり。西光院持。稲荷社も下同じ。と明記されています。稲荷社は神社左手奥に今も祀られています。西光院持、と記されていますが、西光院も徒歩10分の板橋区南町に存在しています。
所蔵されている古文書は平成30年度に板橋区登録有形文化財となっています。

余り広くはない境内ですが、人々は道路側からも立ち止まってお辞儀をしてあるいは少し手を合わせてから通り過ぎます。桜が咲く頃には境内に鯉のぼりも飾られますので絵になります。夏には左奥の稲荷社に風鈴が飾られて、交通事故と排気ガスの多い交差点をせめて安らぐ場所に導こうとしている神社の風景です。

                                                       

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