東京都台東区 東京文化会館
(Tokyo Bunka Kaikan, Taitoku, Tokyo.)
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モダニズム建築の代表作 |
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March 15, 2022 野崎順次 source movie
東京都台東区上野公園5-45
1961年竣工。設計:前川國男。開都500年記念事業として上野公園内に建てられた芸術文化施設。前川國男の師であるル・コルビュジエの〈国立西洋美術館〉の向かい側に建つ。大ホール、小ホール、ホワイエなど大きさの異なる空間を曲面大庇の下に統合。
西洋美術館の2年後に竣工したこの建物は、前川がコルビュジエにオマージュを捧げたものと言われている。当初、コルビュジエは上野に一大文化センターを構想し、西洋美術館に加え企画展示パビリオンと音楽・演劇ホールも含めたプランを作った。この案自体は実現しなかったが、前川には師の意志を受け継ぎ音楽ホールを作ろうという思いがあっただろう。
(Casa Brutus 「ル・コルビュジエの弟子たちの建築を訪ねて。」より)
「打放しコンクリートの建築」の系譜に位置する東京文化会館の佇まいは、ボリュームある大ホール、小ホールの分散配置の余白に対角するホワイエを、サッシの大きな開口部、大ホールの大理石砕石打込みPCパネルの壁、小ホールの前川カラー「赤い壁」で囲い、人々を迎える反りあがった打放しコンクリートのダイナミックな大庇が覆い存在感を放っている。
ホワイエは、前川カラー「成層圏ブルー」の天井に散りばめられた照明「天の川」、型枠の木肌を残す打放しコンクリートの柱、4色の三角タイルでデザインされた「落ち葉のイメージ」の床と、レベルの異なるテラス・小広場の階段、小ホールへ繋がるスロープなどが空間にムーブメントとリズムを与えている。
評論家・加藤周一は、著書「日本その心とかたち」で、「建築の建つ立地を利用して人々に空間を開放し、建築内外にレベルの異なる小都市のような広場を設ける」前川の設計手法を「戦後日本の近代建築における一つの到達点」と評している。夜は照明がガラス窓に映り込み満天の星空のように美しい。
橋本 功(前川建築設計事務所所長)
(東京文化会館ウェブサイトより)
受賞歴
1961年日本建築学会賞
1962年建築業協会賞
1962年BCS賞
1995年BELCA賞(ロングライフ部門)
1998年公共建築百選
DOCOMOMOセレクション(100選:No.67)
Google写真と受賞歴
上野駅側正面から左回りに見て行く。打放しコンクリート仕上げで反り上がる大きな曲面の庇が特長的である。
正岡子規記念球場側、サッシの大きな開口部から内部のホワイエを見る。
大理石砕石打ち込みPCパネルで仕上げられた巨大な四角柱は、大ホールの舞台である。
正面に戻ってきた。
天井の高いエントランスロビー
タイル床が素晴らしい。
天井の低い会場入口の奥には小ホールへのスロープと高く吹き抜けたホワイエがある。ネイビーブルーに電灯がちりばめられ、まるで夜空のような天井です
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