富山県富山市 八尾
Yatsuo,Toyama city,Toyama
Category
|
Rating
|
Comment
|
General
|
|
静かな坂の街並と情緒豊かな祭り |
Nature
|
|
|
Water |
|
|
Flower | ||
Culture |
|
街並と越中おわら風の盆と曳山 |
Facility |
|
|
Food |
|
越中おわら風の盆
東新町 19時頃
諏訪町 19時半頃
東町 20時頃
聞名寺 20時半頃
下新町 21時頃
天満町 21時半頃
下新町 22時頃
今町 22時過ぎ
東町 22時半頃
諏訪町 23時頃
越中八尾 おはら風の盆
八尾(やつお)町は富山平野の最南端、井田川右岸に位置し、曳山祭とおわら風の盆で全国に知られている。
川沿いは急坂で、西町には玉石をうず高く積み上げた石垣の連なる景観が見られる。
越中八尾「おわら風の盆」で賑わう9月3日夜の街中を散策する。昼間の街の姿も見ず、詳しい情報も持たないままに通りに従って歩いた。
今回は雰囲気を感じるだけで終わった。不出来な画像が多いことをお断りさせて頂く。( 撮影時間:18:45〜21:40)
井田川の河岸段丘に石を積み、そこに町を形成した越中八尾。1290(正応3)年に本願寺第3世覚如上人が聞名寺(もんみょうじ)を創建し、その門前町として栄えた。江戸時代には飛騨往還を行き通う物資の中継点として栄え、旅籠屋や酒屋が軒を並べていたという。
「おはら風の盆」由来
おはら風の盆は旧町と呼ばれる「東新町、西新町、諏訪町、上新町、鏡町、東町、西町、今町、下新町、天満町」と井田川を挟んだ対岸の「福島」を併せた合計11の町で行われる。
11の町にそれぞれに「富山県民謡越中八尾おわら保存会」の支部が組織されており、おわら風の盆はその支部毎に日程を定めて行っている。
各町の踊りは時間が決まっている。踊りにはそれぞれ特徴がある。町ごとに回ってみるが動きが取れないケースが多かった。
坂の町大橋
井田川に架かる大橋を渡るとすぐに八尾の町に入る。今夜は通行天国である。19時前、橋上では踊りの練習が始まる。
福島
林盛堂は創業江戸末期。「おわら玉天」発祥の店
天満町
今町
聞名寺 浄土宗
本堂は1812年(文化9年)に建築された総欅造り銅板葺きの本願寺様式の建物。本堂には3匹の龍の彫刻、向拝の手挟みは鳥、樹齢500年の杉の木がある
本堂向拝の舞台でのおはら
聞名寺風の盆講中、越中おわら道場によるおわら
今町の皆さん
東町
諏訪町
諏訪通りは格子戸と白壁造理の町家が立ち並ぶ。無電柱化された道で日本の道百選に選ばれている。道路両脇には早くから陣取った人たちで溢れていた。
東新町
西新町
上新町
鏡町
鏡町支部への入口である「おたや階段」からの見物が有名 階段に座って見るには早くからの場所押さえが要る。
メイン会場まで下りて見る
西町
この町の踊りとは出会えなかった。踊りが終わって混雑する家並み。
旧町の中心で伝統的な様式の町家が建ち並ぶ中で、老舗・宮田旅館は1700年代に建築された旅籠宿(改造改修済)今も不便はないとか。
福鶴酒造は嘉永元年(1847年)創業で、恵まれた風土気候と三千m級の山々から流れる名水で、創業以来良質な酒造りを続けている。
八尾の町並みは井田川と別荘川二つの川に挟まれた尾根上の高台に広がっている。以前は井田川沿いの低地にあったが、江戸時代の洪水により壊滅的打撃を受けたため、聞名寺のある高台へ移転した。これに伴い川に面した斜面に壮大な石垣が築かれ、「坂の町」「石垣の町」と呼ばれる独特な景観が出来た。
石垣の夜景
禅寺橋周辺の夜景
下新町
八幡社の舞台での踊りを見る。八幡社は春季祭礼の曳山祭では曳山が奉納されるメイン会場である。
八尾市街
八尾は富山の南部に位置する。井田川の河岸段丘の上に、室町末期、浄土真宗の古刹、聞名寺(もんみょうじ)が建立され、その門前町として成立した。藩政時代から蚕種や和紙の取引を中心に、飛騨に至る街道沿いの商人町として栄えた。
この繁栄をうけて、春に行われる曳山の祭り、9月はじめに行われる「おわら風の盆」の祭りが今日まで賑わいを続けてきた。
街並と水の音が美しい、静かな山間の町だ。近くの井波、五箇山とあわせて訪ねたい。
井田川から聞名寺の本堂を見上げる
八尾の街が河岸段丘の上に発達した様子がわかる。段丘上の平坦地に街が広がる。
おわら風の盆祭りの街並景観
Yatsuo townscape at Owara odori
Sep.2005 source movie
おわら風の盆祭りは、毎年9月の1、2、3日開催される。
9月1日は旧暦の八朔(8月1日)の月遅れの祭りである。
八朔の祭りとは、二百十日の稲穂が出る頃、台風の強風を受けることから、実りの神(田の実の神、すなわち頼みの神)に祈願するものであり、この地方にも、風の宮など、風封じの祭礼風習があった。
一方、八尾は全国的に有名な蚕種の産地でもあったため、蚕の換気目的での風は歓迎された。
盆とは、旧暦7月15日の盂蘭盆会(うらぼんえ)、いわゆる施餓鬼会であり、先祖や死者に食物を供する祭りであるが、養蚕の繁忙期とも重なるため、八朔の時期にあわせて盆祭りとしたものであろう。
おわら節と踊りの起源は、浄土真宗の勢力が強かったこの地方の踊り念仏と言われている。
胡弓の哀愁漂う旋律は念仏を想起させるものだ。祭りの夜には蛍光灯や水銀灯の無粋な照明が無い。
緩やかな坂の両側、暗い街並にぼんぼりが灯り、格子戸の中からの明かりが美しい。
物悲しい胡弓の音が流れ、笠を深めに被った踊り手の優雅な姿が浮かび上がる。
直木賞受賞作家、高橋治の恋愛小説『風の盆恋歌』で一躍有名になり、石川さゆりの歌もある。
物語では、この祭の夜に、好き合っていた男女が、20年の歳月を経て、死の予感にふるえつつ忍び逢う、危うい恋の旅路を美しく描き出す。おわらの祭りは情緒豊かで繊細だが、旅行客の無粋なフラッシュや傍若無人な行動が踊り手を萎えさせ、踊りを中止してしまうことがよくあるそうだ。
この祭りに押しかける無粋者への抗議だという。確かに観光客のマナーが悪い。
観光客は、全国で開催される町おこし的な「見せる」祭りに慣れているので、シヤッターチャンスを狙うのも無理からぬところだ。
この街にはホスピタリティが無いと誤解する声も聞かれる。
風の盆は、言わば、八尾の街並を舞台とした神聖な舞台踊りであるとすれば、観客は騒音やフラッシュで舞台を霍乱すべきではないことが理解できよう。
観光客と住民とのふれあいを活かすためにも、主催者は、この街の風土と祭りの歴史、観光客が守るべきマナーなどを周知徹底したほうが良いと思われる。
ぼんぼりの灯りが幻想的なアンビアンスを演出する。
ぼんぼりが連なり、幻想的な光のシーケンスを作る。普段の昼間の街並とは大違いだ。
背が低くほの暗い照明灯は、祭りの雰囲気を乱さないよう配慮されている。
祭りのしつらえと格子戸から漏れる明かりがほんのりと美しい。ここには、暗いからこそ美しい世界がある。
おわら祭りをフィーチャーした酒は、気分も高揚し、ひときわ良い味を醸す。
富山は、ぶり、ますの押し寿司が有名
おわら踊り待機、練習
Sep.2005 source movie
あいにくの雨で踊りの多くは中止となったが、情熱は冷めない
おわら踊り 神社にて
Sep.2005 source movie
おわら踊り 八尾ふらっと館にて
Sep.2005 source movie
おわら踊り 家屋内にて
Sep.2005 source movie
日常の八尾 諏訪通りの街並
Suwa doori
石畳と、両脇の水路の音が美しい。
緩やかな坂の両側には、それほど古くは無いが、古風な外観を持つ和風民家が並ぶ。郵便局などの公共施設も街並に配慮した外観を保っている。
日本各地で古い街並みが壊されている。
アーケード、けばけばしい照明や看板、国籍不明の店構えと民家のファサード、洋風の道路、電柱、それらの無粋な景観要素から街並を守り、あるいは復元したのがこの街だ。
観光客にはこの街の美しさも歴史も人も愛してほしい。
通りの奥、坂上から坂下を見下ろす。水路の水音がすがすがしい。
坂上から坂下を望遠する
坂下から坂上を望遠する
日本のまちなみ住宅百選に選ばれた住宅
諏訪通りの神社
裏山への階段と街並
石をくりぬいた照明柱、ぼんぼり、祠
Nov 2003 瀧山幸伸 source movie
諏訪通り
Suwa doori
All rights reserved 無断転用禁止 登録ユーザ募集中