USA カリフォルニア サラトガ ハコネガーデン
Hakone Garden,Saraoga,CA,USA
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Apr.2018 柴田由紀江 Hakone Estate & Gardens
2018年4月 撮影・文 / 柴田 由紀江
所在: 21000 Big Basin Way, Saratoga, CA 95070
ハコネガーデンはサンフランシスコの慈善家であるオリバー・スティーン夫妻(Mr. & Mrs. Oliver and Isabel Stine)によって造られた日本庭園です。1915年にサンフランシスコで開催されたパンパシフィック国際博覧会にて、世界最大のパビリオンであった日本館に魅了されたスティーン夫人は、自分たちの夏の避暑地として日本庭園を造ることに決め、後に旅した富士箱根伊豆国立公園の箱根を自分達の庭園の名前として選んだそうです。
1915年5月にスティーン氏はカリフォルニア州サラトガ市に15エーカー(約1万8000坪)の土地を購入し、庭園の建設が始まりました。スティーン夫人は、日本の庭師・愛原直春氏にサラトガの山の風景にふさわしい丘陵の庭園をデザインし、創造するよう依頼しました。日本の素材や技術を駆使し、日本の多くの職人を雇用している著名な建築家、新松常松は、月見上院と下院を設計・建設し、鯉の池を造りました。こうして1918年に日本式家屋と庭園を家族の別荘として完成させました。
その後、ハコネガーデンは1929年の大恐慌で倒産したスティーン夫妻から財務官のチルデン少佐(Major C.L. Tilden)に売り渡され1932年にメインゲートの門が増築されました。1931年から1932年にかけて、当時の日本総領事若杉要氏が箱根ガーデンを借り受けた記録がありますが、1960年代には管理ができなくなりすっかり荒廃していました。
1966年、サラトガ市は箱根庭園を都市公園として購入しました。それは市の公園局によって維持され、一般に開放されました。京都仕込の庭師石原氏に庭の復興の手入れを行わせましたが、彼の急死後、意思をついだ弟子(Mr. Jack Tomlinson)が京都で修行を受け、石原夫人と共に庭の手入れを続けました。近年になり、日本からの昭和の桂離宮の改築を手がけた一級建築士で宮大工14代目でもある安井清氏を招き、箱根ガーデンに再び日本の建築の美を復活することができました。
それから30年後の1996年、サラトガ市議会による減税案可決のあおりを受け、サラトガ市による運営は不可能となった為、1997年にサラトガ市の住人を中心に箱根ファウンデーションが結成され運営が市より移されました。
1980年よりヘッドガーデナーを務めたジャック・トムリンソン(Mr. Jack Tomlinson)には、30年以上の長きに渡りハコネガーデンの美しい植栽を守り抜いて来た功績が認められ、在サンフランシスコ日本国総領事より表彰状が授与されました。雨の降らないカリフォルニアで、スプリンクラーが設置されるまで人力で水やりを続けた彼の日本庭園に対する愛情と情熱に頭が下がります。
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