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Monthly Web Magazine Dec. 2016

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■ おばちゃんカメラマンが行く 《なんじゃこれ〜》 兵庫県高砂市 生石(おうしこ)神社石の宝殿   事務局

世の中には不思議なものがあるもので、《なんじゃこれ〜》とつい言ってしまうものが多々ある。

前回の土偶もそうであるが、何のために作られたのかが想像できないものである。

多くの方が写真を撮っていらっしゃるが、何故か全体像が分かりにくい一風変わった神社がある。

その名も生石(おうしこ)神社。鹽竈神社の塩竈、霧島神宮の天逆鉾とともに「日本三奇」の1つだ。

階段を上って本殿で参拝し、通り抜けると、なんと目の前に石の壁があるではないか。ご神体「石の宝殿」だ。

普通はくりぬかれてその中にご神体が安置されていると思うが、この宝殿そのものがご神体だ。

 

岩盤を掘り込んで造られた一辺6m前後の巨大な直方体で、側面に幅1.6m深さ30cm幅の溝が掘られて、背面に屋根形の突起が付く不思議な形をしている。重さは推定500tあるらしい。

ぐるりと堀のような池がありご神体が浮いているかのように見えるので「浮石」という名もある。

写真で見ても言葉で説明しても実感がわかない宝殿だ。超広角レンズでも宝殿らしく撮るのは難しそうだ。

裏山に登ってご神体を見ると人の手によって山が掘り出されているのがよくわかる。

誰が、何時、何のためにと疑問が湧くが諸説ありはっきりしていない。

古墳時代に石棺か石槨を切り出そうとしたと言う説など多々あるが、「生石神社略記」によると石造りの宮殿を造ろうとしたが、途中で断念したようだ。

つまり後ろの屋根型の部分は宮殿の上部で、前に見えている部分を底にして正面を引き起こす予定だったらしい。そうなると屋根型の突起物も側面の帯状の掘り込みも理解できる。

もしそうならば、私たちが拝んでいるのが宝殿のお尻で、ご神体は空を向いていることになる。正面にあたるはずであったであろう現在の上部は雨風にさらされ、木や草が生えまくりだ。

ご神体に上るのはいかがなものかとは思うが、一日も早くお顔のお手入れをした方が良さそうだ。

百聞は一見に如かず。お正月の初詣にお勧めします。その節は上からの参拝もお忘れなく。

  

《なんじゃこれ〜》 おまけ 岐阜県御嵩町 鬼岩の奇岩 オッパイ岩(と勝手に命名)

 

MerryXmas & A HappyNewYear