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京都府南丹市 西光蜜寺

Saikomitsuji, Nantan city, Kyoto

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もみじ
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 Flower
 
 
 Culture
 
 
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Aug.30,2017 中山辰夫

西光蜜寺(さいこうみつじ)

京都府南丹市谷木町美里中石谷9

宗派:真言宗大覚寺派 本尊:阿弥陀如来

所在 田園地帯にある山の中腹に建つ JR山陰本線吉富駅から徒歩約15分

    

756(天平勝宝8)年、東大寺の良弁僧正によって創建されたと伝わる古刹 

京都高雄の神護寺を復興された、文覚上人が得度(僧侶になる儀式)をされた寺院 その縁で、神護寺より多くの紅葉が移植されたといわれる

往時は約3000坪を越える広い寺域に七堂伽藍や塔頭大坊が並ぶ大寺であったと伝わる。現在は総ケヤキ造の荘重な本堂を残すのみである

境内の樹齢数百年を過ぎたモミジの古木が多く紅葉の時期は見応えがある 

しかし最近は古木の痛みが進み懸念されていると住職さんが嘆いておられる

    

豪華な本堂内装飾が素晴らしい

  

向拝、本堂に見られる彫刻は、但馬・丹波・丹後地方で、江戸時代後期から昭和初期に活躍した丹波柏原の彫刻師・中井権次(ごんじ)の六代目の作とされる

石柱〜参道〜山門〜社務所

      

石段をのぼって本堂 (阿弥陀堂)に着く

    

向拝付近 一間 唐破風付 

    

虹梁や木鼻に見られる重厚な装飾

    

大きな造りの唐門の虹梁には2頭のキリンが踊り、その上に軍配を持った行司がいる

細部

                

本堂 (阿弥陀堂)

大きな本堂は1799(寛政11)年に再建され市の指定文化財

外観

           

桁行:三間 梁間:五間 入母屋:桟瓦葺 

本堂欄間の彫刻

                 

2頭の竜が「阿」「吽」の軽装で向い合う 200年前の江戸後期の作品 ケヤキ材に量感たっぷりに彫られた竜 飛び出しそう

折り上げ格天井付近−天井の造作も入念

      

二条城や京都の大きな宗派の大本山に見られる格式を誇る建築技法が用いられている。

須弥壇周囲

      

郷土史愛好家の団体「中井権次顕彰会」によると、中井の一門は丹波市柏原に居を構え、兵庫県と京都府の一部(旧国名で、但馬、丹後、丹波播磨)の神社仏閣214ヵ所で作品を見ることができるとされる

一例—温泉寺薬師堂(既報 兵庫県城崎町湯島985−2)

  

薬師堂の彫り物や向拝の龍と天女の彫物、木鼻の唐獅子と獏、籠彫と称する多彩な華、本殿の多数の彫り物は最高傑作の一つとされる

隣の村より豪華なものを、という心理が優れた彫刻家一門を育てた。

これだけの彫刻・普請を支えるには檀家の豊かな寄進が必要 豊かな経済力が支えたのであろう

六斎念仏踊り−京都府指定無形民俗文化財

六斎念仏踊りは毎年8月20日の宵大師の法会の夜と23日の地蔵盆の夜に行われる 

六斎念仏とは、鉦や太鼓とともに念仏を唱えながら踊る民俗芸能で、六斎という名称は、悪鬼が現れて人命を脅かすとされる六斎日に念仏が修せられたことに由来している

参考資料

丹波の名彫物師・中井権次一統とは

柏原・中井家のルーツは柏原八幡宮の三重塔の再建だった。(写真引用:瀧山氏撮影)

三重塔に彫られた鳥などは、中井丈五郎橘正忠と3人の倅と記されているとか、龍と力士も中井一統によるものとされる

    

宮大工、彫物師としての“中井権次一統”と柏原中井家系図

  

中井権次作品の特長とその魅力

龍に込められた思い

 

「龍」の特長と芸術作品としての魅力

 

中井家のルーツ

  

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