Monthly Web Magazine (Sep.1, 2009)
■■■ 8月の旅 瀧山幸伸
「エメラルド色の水を求めて」
最近、水の色、特にエメラルド色の水にこだわっています。
8月の取材では、北海道旅行での美瑛の青い水、同じく美瑛の白髭の滝。
これらは上流の白金温泉に含まれる硫黄成分に関係があるようです。
オンネトーの水は定番ですが、いつ行っても納得できる色に巡り会えません。
そして、摩周湖の青い水、その水が湧き出る神の子池。とても神秘的です。いずれも 火山の硫黄成分でしょうか。
知床五湖付近の沼も大変きれいな色です。
シカの群れが湖の中に入りスイレンを食べている映像、手が震えるほどびっくりしました。
網走の天都山も青い湖の眺望が楽しめます。ニセコの沼も神秘ですね。
これらはエメラルド色ではありませんがとても神秘的です。
小さい沼は、湖底の泥炭が黒いため、水面に鏡のように神秘的な反射が得られます。
圧巻は大雪高原の沼巡りです。
シカ、キタキツネに遭遇しましたが、クマもうろうろしています。
危険と背中合わせで自然の恵みに接することができ、貴重な映像が得られました。
本土では、茅野のため池、麦草峠の白駒池が夏空に映え美しい色でした。
茅野のため池はフッ素成分が多いらしいですが、それと水の色が関係あるのかどうかはわかりません。
東山魁夷が魅了された理由は謎です。
白駒池、さざ波が立つとダイヤモンドの輝きが湖面に現れ、これまた神秘的な光景です。
これらは八ヶ岳の周囲ですので、おそらく微量の硫黄成分が影響しているのでしょう。
今月は以上ですが、国内各地のエメラルド色の水といえば、十二湖、蔵王の御釜、草津白根、えびの高原御池などでしょうか。
十二湖以外は火山性硫黄のコロイドが光を反射するからでしょうが、十二湖、特に青池の色は理由がよくわかっていないようです。
科学が発達した現在でも謎のままというのがロマンがあって面白いですね。
海外ではカナディアンロッキーのペイトーレイク、メディスンレイクなどが有名です。
いずれもシルト(粘土)成分のコロイドが光を反射する色だそうです。
「動物天国」
同じく北海道では、動物の撮影も楽しみました。
定番の旭山動物園や知床は当然として、函館香雪園のエゾリスはとてもかわいいですね。ヒトに飛び乗って来るのがご愛嬌です。
「花火、日本の夏」
夏といえば花火。
日本一の大曲花火の「大会提供花火」は必見です。
今回は映像も音も高品質に収録することができました。
そして諏訪の花火。こちらも周囲にこだまする音が良いですね。雨に降られ大変でしたが。
花火は写真ではなくビデオで鑑賞するのが正解です。
大音量と大画面が再生できるホームシアターがあればなお良いのでしょうが、何度観ても飽きることなく楽しめます。
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