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Monthly Web Magazine (May 2010)

■■■ 寒さも吹き飛ばした滋賀県の「八幡まつり」と「長浜曳山まつり」 国選択無形文化財 中山辰夫

五穀豊穣を願う「八幡まつり」の宵宮祭(松明まつり)が14日、近江八幡市宮内町の日牟礼八幡宮で行われた。

10mを超える高さの大たいまつが激しく燃える凄さに訪れた観客から大歓声が起こった。

この祭りは、その昔、応神天皇が現在の日牟礼八幡宮へ参詣される際に、南津田町の住民がヨシでたいまつを作り、火を灯して道案内をしたのが始まりとされる。

千年以上続く祭りで、現在は12郷の氏子が参加する。

14日は午前中に松明結い、昼から子ども松明の奉火、20時からは各郷の大松明が奉火された。

火の粉をかぶりながら竹で松明を起して行く若者の姿は、男らしさに満ち溢れていた。

深夜近くまで、次々と燃やされる松明が境内を炎で埋め続けた。

15日は太鼓まつりで、16時頃から大太鼓渡りが行なわれた。

直径1〜2mの大太鼓を御輿のように担いで境内に向かい、楼門をくぐって拝殿前で気勢をあげて神社内を巡行して終わる。

腹の中まで響く、重厚な音が境内に鳴り響いた。

 

「長浜曳山まつり」は400年以上の歴史をもつ。

長浜城主であった豊臣秀吉が男子誕生の祝いに振舞った砂金を基に、町人達が曳山を造り、秀吉が再興した長浜八幡宮の祭礼で曳きまわしたのが起こりとされる。

祭りは4月13日から16日の間行なわれる。

豪華絢爛な動く美術館といわれる曳山の上で演じられる子ども歌舞伎は、曳山まつりの最大の見所。

4月15日今年は新市合併を記念して全山が出場した。

八幡宮ではくじ順に4つの山組みが歌舞伎奉納する。

八幡宮を埋め尽くした観客の前で、それぞれの子ども役者が歌舞伎を熱演して大歓声が長時間響き渡った。

曳山が御旅所に全山勢ぞろいするのは4年ぶりで、全山に提灯がともると何ともいえない雰囲気が会場を覆った。

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