MONTHLY WEB MAGAZINE Jan. 2013

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■■■■■ 仁王様の乳首、追加事例 野崎順次

以前の報文(ウェブマガ2012年7月)で各所の仁王様(正式には金剛力士像)の乳首を観察すると、人間に近い半球状突起もあることはあるが、造形的な花形キャップが主流のようであった。今回はさらに調査した結果を追加する。

A.半球状突起

実際の乳首に似ているが、ややデフォルメしている。

岡山県岡山市 金山寺 仁王門 指定無し

吽像の胸の細部は格子に隠れているが、阿像は分かる。

岡山県倉敷市 持寶院 山門前 指定無し(昭和60年製作奉納)

B.単純花形

大分県国東市 両子寺 境内 国東市指定有形文化財

大きさ、力強さ、その見事な均整美ともに、国東半島を代表する仁王像と言える。

露天に建っている。阿像は磨滅したのかかすかな痕跡が残るが、吽像は明白である。元来、多弁花形であったが、磨滅して単純花形に見えるのかもしれない。

C.多弁花形

石川県羽咋市 妙成寺 仁王門 江戸初期

仁王像は作者不詳であるが、江戸初期としては大作である。

山梨県身延市 本遠寺 山門

慶応三年(1867)の火災により、本堂・鐘楼堂以外を焼失するとあるので、山門と仁王像は明治期建立と思われる。

福井県小浜市 神宮寺 仁王門 鎌倉末期?

仁王門は国重文だが、仁王像は無指定らしい。鎌倉末期の製作と云われ、親しみの持てる風貌である。

奈良県吉野町 金峯山寺 仁王門

東大寺南大門に次ぐ日本で2番目の大きさ。

これまでの事例から見ると、最も多いのが多弁花形で、恐らく70%に達するだろう。いずれにしても、乳首にキャップをかぶせるのが標準手法であろう。何故か?詳論は避けるが、基本的には性的弱点を隠すと同時に保護するためであると思われる。仏師のお話を聞いてみたいものだ。

参考資料

大分県観光情報公式サイト

石川県HP

ウィキペディア「本遠寺」

竜胆庵日記HP

徒然寺社巡りHP

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