MONTHLY WEB MAGAZINE Aug. 2013

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■■■■■ 常陸太田 川村由幸

水戸のお墓参りのついでに震災のダメージが癒えた弘道館でも撮影しようと考えていましたが、調べてみると未だ震災のダメージは残ったままの様子。

震災ダメージの残っている状態は撮影済みでしたので弘道館訪問は諦めて、少し足を延ばして常陸太田市へ。

最初に訪れたのが、佐竹寺、徳川の前に常陸を治めていた佐竹氏ゆかりの寺。本堂が重要文化財に指定されています。

 

山門の屋根瓦に震災の傷跡が見て取れます。落下物注意の立て看板も出ていて震災のダメージがそのまま残っています。

茅葺の本堂には震災の影響は全く感じられません。なかなかに趣のある落ち着いた建造物です。

本堂に向かって左右の石灯籠が倒れているのも震災の落とし物でしょう。

そして本堂に近づくと驚くほどの三社札が貼られています。禁止の注意書きがなく貼って良いとの認識なのでしょうか。

文化財を守ろうという気持ちは持てないものなのでしょうか。

もう一つの国指定の重要文化財の建造物、旧茨城県立太田中学校講堂もたずねましたが、ここは屋根瓦をおろし周囲に足場を巡らせて解体修理と言えるほどの工事中でした。残念ながら撮影の意味がない状況でした。

確認はしていませんが、震災で大きなダメージを受け、それからの回復修繕だと考えます。

太田第一高校内にある建造物です。危険な状況のまま長くは放置できないでしょう。

常陸太田で皆さんがご存じなのは水戸黄門の隠居所の西山荘でしょう。

よく整備され、光圀が住んでいた時代を感じさせる雰囲気はよろしいのですが、ここの入場料がなんと¥700超、公営でなく徳川ミュージアムという法人の経営となっているからでしょうか、あまりの高額におどろきました。

建造物一棟と少し雰囲気の良い庭があるだけですから。

昼食に街中に出て、お蕎麦をいただきました。常陸太田市の金砂郷はそばで名高いところですから、もちろんおいしい蕎麦をいただき満足しました。

街中でも歴史を感じさせる建造物を多くみかけましたが、そのいくつかに生々しい震災の傷跡が残されていました。

ここも震災を引きずったまま、時間が止まってしまっているようでした。

最後に面白いお顔の仁王様がいるというので来迎院に向かいました。

ここは、茅葺の屋根も修繕されていて、震災を感じさせるものは何も残っていません。阿弥陀堂山門と阿弥陀堂が茨城県指定の文化財となっています。

山門左右の仁王像のお顔はコミカルで印象的です。本堂もそこそこの彫刻で飾られていて、三間堂ばかり見てきた私には特に立派な阿弥陀堂に見えました。

まだまだ、東日本大震災の影響が色濃く残る常陸太田市。八月の暑い一日を過ごしてみました。

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