Monthly Web Magazine Mar. 2014
最近若い人たちと接する機会が少なくなった中で、今年のソチ五輪はいつになく見入りました。ドラマを生み出した各選手や関係者の「顔」「表情」「目」が、競技内容以上に印象に残りました。頑張っていればいいことがあることも教えられた気がします。
2月23日、太閤の桜で有名な京都・醍醐寺の主要年中行事の一つである、「五大力尊仁王会」、通称「五大力さん」が催されました。
ご本尊「五大力尊」の分身「 御影(みえい)」を求める参詣者で大賑わいでした。この法要行事は1200年以上の歴史を持っています。
神事の一つに、「餅上げ奉納」なる行事があって、力自慢の男女がそれぞれ、台付90kg・150kgの二重餅を持ち上げ、その時間を競います。
餅上げ奉納が競争となったのは戦後からのようで、力を奉納すると無業息災の御利益を授かるとされています。
餅の重さは大相撲の一力士を持ち上げる程です。一つ間違えば事故にもつながる危険もあり、出場の奉納者は真剣そのもので、その顔・表情に魅せられました。
女子の優勝者(38才会社員)の頑張りの様子を紹介します。気合を入れて鏡餅を持ち上げ、腿(もも)の上に乗せ、バランスを崩すまいと歯を食いしばって我慢します。30秒毎に時間の経過がアナウンスされ、安定するとみると会場がどよめきます。時間は1分、2分…と経過します。
1年通った道場主?から「ゲキ」も飛びます。7分過ぎると観衆からかけ声、場内は緊張感が漂います。10分過ぎて昨年までの記録を破りました。即刻身内にTELです。
興奮のルツボの中、11分11秒で終わりました。選手は瞬間呆然とし、すぐに立ち上がれませんでした。この時点ではまだ優勝と決まっておりません。
参加者は女性が約40名、男性が約80名でした。持ち上げた人、腰くだけの人、触るだけの人、などそれぞれ真剣な取り組みでした。その顔・顔・顔です。
数分以上持ち上げた人はしばしの間、相当なダメージが残ったようです。
今年優勝された女性は二度目の挑戦とか。初参加の昨年は緊張のあまり、モチを落としてしまい記録なしの結果で終わった。発奮して京都の道場で練習を重ねて再挑戦したとか。これまでの最長記録10分1秒を越え11分11秒と圧倒的な強さ?でした。
久しぶりに気迫の瞬間を感じる機会に立ち会うことが出来ました。
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