Monthly Web Magazine October 2014
湖国の三大祭(長浜曳山祭・日吉山王祭・大津曳山祭)の一つ大津曳山祭と米原祭が毎年10月12日前後の同じ日に催されます。
今年は苗村神社の式年大祭も同じ日に開催されました。台風19号の接近で危ぶまれましたが、無事終わったようです。どこへ行こうかと迷いましたが、もう二度と見られない苗村神社を選びました。
苗村神社は『延喜式』記名帳に名を連ねる古社で、国宝の西本殿をはじめ、国指定の重要文化財建造物が多数境内に並び建っています。
日常の社殿は、重厚・毅然・端然とした雰囲気の中に有ります。西・東本殿裏の神域は今でも広いですが、往古は今の数倍の広さだったようです。
33年に一度行われる式年大祭の日の社殿はいつもとは違って華やいで、身近に感じられました。
苗村神社の氏子圏は一般に33郷とか30余郷といわれ、一部を除く現・竜王町の全域と現・東近江市蒲生町西部及び現・近江八幡市南東部の一部に広がっています。
五穀豊穣を願う大祭は、1599(慶長4)年まではこのうちの9村で行われていましたが、同年より氏子33カ村に因み33年に1度の大祭に改められたようです。
但し毎年の祭は春・節句・夏に9カ村によって行われます。
今年は前回の1982(昭和57)年から数え年で33年目に当たり、10月11日〜13日までの3日間大祭が行われました。
式年大祭の初日の11日は、神輿渡御の他、古式にのっとった武者行列や山車が繰り出され、太鼓踊り、鎌踊りが奉納されました。
12日は雪野山古墳で有名な雪野山麓にある御旅所までの御渡行列が行事のスタートです。
通行止めにした県道・町道約2㎞の間を長い行列が進みます。
行列は30余郷の氏神御榊を先頭に、神輿三社、長刀振り子、山車、踊り・・等が・蜿蜒と続きます。
約1000人の列と聞いて、まさかと思っていましたが正にその通りの行列でした。
行列で目を惹いたのは、参加している子供さんの多い事です。軽く数百名は越えています。色とりどりの衣装やかつらに身を包み、太鼓や鉦を打ち鳴らし舞を奉納します。次回の大祭では牽引者になる子たちです。
3回目という年輩の方のお話では、一回目の年は男も女も幼少の頃で、行列に参加したが殆ど覚えがない。二回目は、男は祭の準備に参加、女は客人の接待で在宅。三回目の今回、はじめてゆっくりした気分で氏子の熱気あふれる行列が見られたとのこと。
子ども時代の記憶・経験が伝統行事を守る礎になっているようです。一戸毎最低一人の参加と心遣いの寄付が大祭を成り立たせていることを骨の髄からわかっているようです。
この子たちも次の二回目、三回目の大祭に協力するのでしょう。…そして再々受け継がれて行くことで式年祭はいつまでも続いてゆくのでしょう。
大祭についての情報を何一つ持ち合わせておりませんでした。調べが進めばまとめて投稿致します。