Monthly Web Magazine November 2014
第34回の古本祭りが、10月31日〜11月4日の間、京都・百万遍の知恩寺で開催されました。今年はあいにくの小雨で、やや低調に終わった感じです。
会場の知恩寺は浄土宗の大本山。山号・長徳山。円仁の草創。1331年疫病の流行を、八世善阿空円が念仏百万遍を唱え祈願したところ治まったので,後醍醐天皇から百万遍の寺号を賜ったとされ、浄土宗四本山(知恩院、清浄華院、金戒光明寺)の一つです。
東今出川通りを挟んで京大北門と向かいあっており、山門、御影堂(本堂)、阿弥陀堂、釈迦堂、鐘楼、庫裏、など七堂伽藍が建ち並ぶ大寺です。
祭り当日は、境内は勿論、各堂宇の中まで書籍が並べられ、初日には古書供養が行われました。
三日目の11月2日は、昨日に続き朝から小雨が降ったり止んだりで、売る方はビニールシートを被せたり、外したり、買う方はビニールの上からの本探しで大変なようでした。天気がよければ動きが取れない程人が集まるようで、フアンにとっては恨めしい雨でした。
今年は「古書蒐集」もある意味では「遊び」と、遊びにまつわる古書が集められたようです。お祭りのハイライトはオークションで、最高に盛り上がると聞きます。
最終日は好天となりました。多くの人が来場されたと思います。
京都では、春の岡崎、夏の下鴨、秋の知恩寺と年に3回古本祭りが、京都古書研究会によって開かれます。
地元京都を中心に、関西や岡山などの近郊の古書店が加わって売り場を作ります。
時には平安貴族の日記が出てくるなど、古本資源の厚みに支えられ、今年でメッセは31回目、下鴨は27回目、知恩寺は34回目を迎えました。
「春の古書大即売会」は京都市勧業会館(みやこめっせ)が会場で、570坪のスペースには古書店43店舗から多くの古書が並べられました。
期間は5月1日から5日までの5日間でした。美術関係や豪華本が中心の様で、屋内で催される古書の即売会としては最大です。
1万冊以上の京都本が並ぶ「京都コーナー」も設けられました。
夏の「下鴨納涼古本まつり」の会場は、下鴨神社の糺(ただす)の森で、5月の葵祭りで「流鏑馬」が披露される南北800mの馬場です。
期間は8月11日から16日までの間でした。児童書を目玉とするため子どもさんの訪問が多いのが特徴とか。
白いテントや木箱、台の売り場が連なり、かき氷やビールを売る露店も出て、晴れた日には1万人が訪れます。
最もにぎわうのは児童書コーナーで、図鑑や物語、伝記、歴史漫画シリーズなど1万冊以上が揃います。
今年は台風の影響で1日遅れて始まり、最終日は大雨で小川があふれ、会場一面が水浸しになりました。書籍にも影響が出て、収支は厳しかったようです。
研究会が開く古本まつりは本好きな人にとっての「京三大祭り」といわれ、待ち焦がれている人が多いと耳にします。
「多くの人で賑わうのを見ると、こんなに読書人口がいるんだと勇気付けられる」と会員の声として、新聞にも記事が出ています。。
年間行事としてすっかり定着し、訪問者の中には、子供の頃来た人が親になり、その子供を連れてくるといった世代を超えたリピーターも増えつつあるようです。
悠久の森の中で、本と出合う楽しみが受け継がれて行く色んな場面を目にすることができるようです。本の魅力は永遠です。
『注』今回掲載した写真の中には、「京都古書研究会」様からご協力を頂きました分も含まれております。ご報告申し上げます。