Monthly Web Magazine Aug. 2015
住蓮山安楽寺(京都・左京区)、普段は非公開ですが春と秋、カボチャ供養の日だけは特別公開されます。大野木さんの投稿にある通り11月の紅葉は見事なものです。安楽寺は、1207年に起こった「建永の法難」時の住蓮上人・安楽上人・松姫・鈴姫を今も手厚く供養しています。
安楽寺では毎年7月25日 「中風まじない鹿ケ谷カボチャ供養」が行われます。当日お参りすると、煮込んだ鹿ヶ谷カボチャが頂け、中風にならないよう祈願してもらえます。220年続く伝統行事のようです。
寺伝によると、鹿ヶ谷カボチャは、寛政年間のはじめ(1790年頃)、京都の粟田に住んでいた玉屋藤四郎(たまやとうしろう)が青森県に旅行した際にカボチャの種をお土産に持ち帰り、鹿ヶ谷の庄米兵衛に与え、当地で栽培したところ、突然変異して、ひょうたんの形になったといわれています。
この頃、当寺の住職、真空益随(しんくうえきずい)上人が本堂でご修行中、ご本尊阿弥陀如来から「夏の土用の頃に、当地の鹿ヶ谷カボチャを振る舞えば中風にならない」という霊告を受けられたそうです。以後7月25日を供養日に定め、今日に至っています。
会場は書院です。瓢箪型をした鹿ケ谷カボチャは1987(昭和62)年に、『賀茂なす』『聖護院かぶ』『壬生菜』『堀川ごぼう』『九条ねぎ』『すぐき菜』などと共に、京都の伝統野菜に指定されています。
参拝客で一杯です。当日の受付・調理・配膳などは、檀信徒の方々のお手伝いですべて準備されます。ホクホクの甘みのある味付けでした。
頂いた後は、風鈴の音を耳にしながらゆっくり庭をながめ、虫干しを兼ねて公開されている本堂の「安楽寺縁起絵」「剃髪図」「九相図」などの宝物(掛け軸)十数点の秘宝を鑑賞し、説法を聴いて終わりです。
この日は、京都の年中行事である「神光院 きゅうり封じ」「真如堂の宝物虫干会」も行われます。