Monthly Web Magazine Feb. 2016

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■■■■■時代小説・時代劇と坂野家住宅 川村由幸

私は時代小説が好きです。池波正太郎にはじまり、藤沢修平には随分と泪しました。

今は佐伯泰秀に凝っていて、ほぼすべての作品を読破していて新作を常に待っている状態です。

最近の時代小説の良いところは新刊が文庫本だということです。ハードカバーがないのです。

それが文学の価値が低いからとは思いません。読者の立場を優先した結果だと考えています。

当然、テレビの時代劇も良く見ます。最近では「一路」 BSプレミアム 浅田次郎原作が珠玉でした。

もちろん原作も読んでいます。浅田次郎の時代小説もなかなかです。「壬生義士伝」を電車の中で

読んでいて、泪が止まらなくなり往生したことを覚えています。

そんな時代劇を見ていて、よく登場するのが茨城県常総市にある「坂野家住宅」です。

主屋と表門が重要文化財に指定されています。

特にNHKの時代劇は常総市に隣接するつくばみらい市にNHKの時代劇スタジオ「ワープステーション江戸」が

ある関係か良く出てきます。

駕籠を降りてこの表門を潜る映像を幾度も見ていますし、この竹林での殺陣シーンも見慣れたものです。

民放の時代劇は京都で撮影することが多いようで坂野家が出てくることはありません。

ここ、駐車場から坂野家の表門に向かう風情のある坂道で何が撮影されたかお分かりの方はテレビを良く見ている方です。

「桃太郎と浦島太郎に金太郎が金次郎に見える」場所、そうAUのテレビコマーシャルの一場面です。

もちろん、主屋もすばらしい佇まいなのですが、この主屋全体が登場した時代劇は見たことがないように思えます。

 

主屋の中での撮影は数限りなく行われていて、数えるのが無駄なほどです。

内部の展示物にも撮影された数々のドラマ・映画のポスター等があります。

自分が知っている、撮影に出かけたことがあるところがデレビ画面に出てくると思わず興奮するのは私だけでしょうか。

それが自分の好きな時代劇となると益々です。

こうして小さなことにでも心を動かすことが出来る。心を動かすことは老化防止にも役立つそうです。

小さなことにもたくさん感動して、楽しく暮らしましょう。

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