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Monthly Web Magazine June 2016
ここ山口に引っ越してきた頃、大内人形を夫が買ってきた。
24代大内弘世が京都と同じような街づくりを山口で行い、京の三条家より美しい姫を迎えたが、あまりに都を恋しがる姫の為、京からたくさんの人形師を呼び寄せ作らせたのが大内人形だ。
私はもちろん姫ではないが、私にもすごく帰りたい里がある。夫もわかっていて、転勤にくっついて住まいを替えている私の為に買ってきてくれたんだろう。
小さな工房でお会いした創作者は女性の方で、年配だろうが、とてもかわいらしい方だった。こんなかわいいものを作っていらっしゃるからなんだろう。
いろいろと試作もされているようで、ひな人形を作ってみたけど、五人囃子が四人しか乗らなかったのよーと笑ってらっしゃった。
漆で作るため、決して安くはない上、とっくに嫁にも出ているが、五人乗るようになったら、買っちゃおうかなと思う。
作る業者も減っていく中、ずっと作っていて欲しいと思う。